交差点の向こうには誰が居たのか

 

 

Travis Japanというグループの長い歴史のなかで、欠かすことのできない大切な曲、というものがいくつか存在します。

 

「夢のHollywood」、「Namidaの結晶」、「Guys PLAYZONE」、「Together Now」…

 

きっとトラジャ担の皆さんは沢山の楽曲を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

でも今日、私は敢えて、敢えてこの曲の話をしたいと思います。

 

Travis Japanにとって、そしてトラジャ担にとって、また私個人にとっても、この曲無しにはTravis Japanを語ることはできない。

 

 

今日話すのは、中山優馬くんの「交差点」について。

 

 

Travis Japanと「交差点」

 

「交差点」という曲は、Travis Japanとトラジャ担にとって、とても大きな意味を持つ一曲です。でも、もしかしたらこの曲自体を知らない人も最近は増えてきたのかもしれない。そこで、この曲とトラジャの関係を簡単にまとめてみました。

 

時を戻すこと2014年12月10日のザ少年俱楽部にて、Travis Japan優馬くんの「交差点」のバックにつきました。

 

優馬くんとトラジャは、兄組(当時はS.A.Dという名前だった)とは「PLAYZONE 2010 ~ROAD TO PLAYZONE〜」からの、そして弟組とは正式にTravis Japanというグループになった「PLAYZONE'12 SONG & DANC'N。PARTⅡ。」以来の長い付き合いで、少クラでは「交差点」より前にも、「水の帰る場所」や「High Five」でトラジャは優馬くんのバックについていました。

 

では、なぜその中でも「交差点」がより特別な楽曲なのか。それはひとえに、Travis Japanが9人全員揃ったパフォーマンスだったからだと思います。

 

全員揃うだけでそこまで?って感じですよね、私もそう思います。今のジュニアでは到底考えられない話です。でも、当時のトラジャ担にとっては、“全員揃う”ということすら、流れ星を数えるようなものだった、ということはどうか皆さんにも知っていただきたいのです。

 

「水の帰る場所」も、「High Five」も、その後の「愛までがナイフ」も9人ではなかった。

 

「YOLO moment」はMVは9人だったけど、少クラでは弟組だけのパフォーマンスだったし、MステやCDTVでは違うジュニアがバックについていた。

 

それは少クラに限らず、クリエでも、彼らの原点であるプレゾンでさえも。

 

「交差点」でTravis Japanは全員集結した。それは実に2年ぶりのことだったらしい。顕嵐くんに至っては、その頃、トラジャを抜けたのではという噂も立っていたとか。(私はその当時はまだギリギリ、トラジャ担にはなっていないので確かなことは言えなくてすみません。もし知っているかたは教えてくださると助かります。)

 

でも、9人だから特別、というのは単に数だけの問題ではなく、当時若手でありながら卓越したダンススキルを持った、その9人全員が揃ってパフォーマンスするということは、もはや約束された最高傑作であるということを意味していました。これは決して過大評価ではなく、それほど、Travis Japanというグループはパフォーマンスの面において非常に優れていました。

 

なので、「交差点」=9人時代のTravis Japanの真骨頂、と私自身は、いや、多分ほとんどの(旧)トラジャ担は思っていますし、実際にこの「交差点」はトラジャ担の間で「伝説」として現在もこうして細々とではありますが語り継がれているのです。

 

 

「交差点」のパフォーマンスの大まかな流れ 

 

この曲の振付は我らが屋良くん。流石です。曲がかかり、最初、優馬くんが1人でステージに立ち、軽やかなステップを踏む所からスタートします。

 

そして、Aメロ途中でステージ上手からのえしめが、続いて中央からひろみゅが加わり、一番の終わりあたりまではそのまま兄組のバックで曲が進んでいきます。

 

すると一番が終わる直前でいきなりのえしめが捌け、代わりに中央から宮近くん、梶山くん、閑也くんの3人が登場します。その後、ひろみゅが捌け、二番がスタートします。

 

3人の綺麗な動線で二番Aメロが終わると誰もがそう思っていた、しかしそこにステージ下手からなんと顕嵐くんとうみんちゅさんが登場し、これが9人全員によるパフォーマンスであるということがここで明らかになります。(この時の溢れんばかりの大歓声が、当時のトラジャ担の感情すべてを物語っている)

 

そのまま弟組のバックで二番サビが終わった後、ステージは優馬くんと美勇人くんの二人きりに。そして美勇人くんのしなやかなソロダンスによって曲が一気に締まった所で、全員が中央から登場。大サビを9人全員+優馬くんで踊った後、全員が下手へと捌け、優馬くんがひとりフードを被り、曲が終わります。

 

まさに、兄組の魅力も、弟組の魅力も、そしてTravis Japan全体としての魅力もすべて余すことなく詰め込まれた最高のステージ。

 

当時、「ジュニアなんてスキルの未熟な人達の集まりだ」と思っていた私が、体じゅうの血液が沸騰してしまいそうになるくらいに興奮してジュニアのパフォーマンスを見たのは、後にも先にもあの時だけだった気がします。あんなにも上手いダンスを見るのも、そしてあんなにも心から楽しそうにダンスをする人を見るのもはじめてだった。あと、これは語弊のある言い方かもしれませんが、きっと、今のトラジャが目指す「動きだけでなく気持ちも揃ったダンス」の答えが、この「交差点」なのではないか、と私自身は思っています(追記︰最近はまた分からなくなっています… すみません… ファンが見て分かるような簡単な話ではないので…)。

 

 

交差点の向こうには誰が居たのか

 

本当は一人ひとりのパフォーマンスの推しポイントを語りまくりたいけど、でも今日の本題は歌詞についての話なので割愛します。(泣)

 

 

皆さんは「交差点」の歌詞をご存知でしょうか。

 

雨が降る 音もたてずに 街中の輪郭を曖昧にしながら

偶然に 君を見かけた 見覚えのあるコートで交差点をゆく

Flash Back 僕の手を 振りほどいた 君の頬は濡れている

引き止めなければ 終わりと知っていて 僕は動けない

君の過ちさえも 見ないフリで許して

やさしさが寂しい、と 君はうつむいた

時を巻き戻せたら 強く抱きしめるのに

ありのままの自分に 自信がなかった

you were my girl, my girl 手放して

you were my love, my love 気がついた

ちっぽけな僕の存在に 時が経ってわかる 消せない想い


追いかけて 声をかけたら 君はどんな表情で僕を見るだろう

前よりも きれいになった 新しい恋をして幸せだとわかる

Flash Back あの夜の 後悔が 今も胸をしめつける

君はどれだけの 涙を流して 僕を忘れたの

すべてを奪うような 恋に臆病すぎて

そばにいても不安、と 君はふるえた

今の僕ならもっと うまく向き合えるのに

君が見つめてるのは もう僕じゃない

you were my girl, my girl 失って

you were my love, my love 気がついた

ありふれて見えた幸せに 時が経ってわかる 輝いた日々


せつない痛みほど 本当の強さとやさしさに変わる

そして出会う人と いつかまた歩き出せる


見上げた空の彼方 光が射し込んでる

もうすぐこの雨も 止む時がくる

空に広がってゆく 茜色の輝き

人ごみにまぎれてく 君を照らすよ

you were my girl, my girl 想い出は

you were my love, my love 忘れない

僕たちは別の道を行く

交差点の向こう 空を見上げた

 

これまで私は「交差点」は男女の切ない別れの曲というふうにしか思っていなかったのですが、久々に歌詞を見た時に、私にはこの曲が、Travis Japan、そしてあの頃のトラジャ担のことを言っているように思えたので、今回改めて考えてみることにしました。

 

 

まずは一番Aメロ。

 

雨が降る 音もたてずに 街中の輪郭を曖昧にしながら

偶然に 君を見かけた 見覚えのあるコートで交差点をゆく

 

最初から叙景が素晴らしいですね。音もたてずに降る雨… これが「音をたてて」降る雨だったら、かなり違った印象になるところですが、そんな幻想的なやわらかな雨が、街中の輪郭を曖昧していく、そんななか偶然に見かけた、この「見覚えのあるコートで交差点をゆく」君がいったい誰なのか、ということに焦点を絞ってこれから話を進めていこうと思います。

 

続いて一番Bメロ。

 

Flash Back 僕の手を 振りほどいた 君の頬は濡れている

引き止めなければ 終わりと知っていて 僕は動けない

 

「僕の手を振りほどいた君」、「引き止めなければ終わり」と聞いて思い出すのは、私の場合あらちかなんですが、きっとこれはかじんちゅ、しずかじ、のえみゅ、ひろしめ、のえひろ、しめみゅにも当てはまることで、つまりはTravis Japanに残ったメンバーとTravis Japanを離れたメンバーのことを表していると言えるのがまず一つ目の解釈。そして、離れていったメンバーを応援していたファンと彼女達の担当のことを表しているというのが二つ目の解釈。それから、当時から今までTravis Japanのファンを続けているトラジャ担とトラジャの元を離れたファンのことを表しているというのが三つ目の解釈と言うことができます。

 

そして一番サビ。

 

君の過ちさえも 見ないフリで許して

やさしさが寂しい、と 君はうつむいた

時を巻き戻せたら 強く抱きしめるのに

ありのままの自分に 自信がなかった

you were my girl, my girl 手放して

you were my love, my love 気がついた

ちっぽけな僕の存在に 時が経ってわかる 消せない想い

 

 「君の過ち」という歌詞についてですが、「過ち」というほどのことは無かったのかなと思います。ただ、当時、顕嵐くんと美勇人くんがグループを掛け持ちしていたこと、そして最終的に彼らがそちらでの活動を選んだことに関して、私自身「見ないフリ」をしていたことだったり、今のメンバーがつらい中でも去りゆく同士の夢を応援して送り出したことだったり、あるいは望まない別れをしたことだったり、トラジャ担だったファンがそのままLove-tuneに流れたりセクボと呼ばれたユニットに固執したりしたことだったり、思えば色々なことを「見ないフリで許して」きたような気がします。

でも、あの頃のTravis Japanとトラジャ担には、引き止めるだけの力も自信もなかったのは確かで、Travis Japanはスキルこそ卓越してたものの、ホームと呼ぶにはとても不安定な居場所でした。

「手放して気づいた」という歌詞が残酷にも重くのしかかるトラジャ担。(つらい)

 

ここで一番は終わります。

 

それでは二番Aメロを見ていきましょう。

 

追いかけて 声をかけたら 君はどんな表情で僕を見るだろう

前よりも きれいになった 新しい恋をして幸せだとわかる

 

「前よりも きれいになった 新しい恋をして幸せだとわかる」

現7ORDERや、百名ヒロキくん、そして彼らのファンを見ていると、彼らや彼女達は新たな道を歩いているのだなと感慨深くなります。幸せそうで良かった、と今だから思える。成長したな~、私。

 

二番Bメロに行きます。

 

Flash Back あの夜の 後悔が 今も胸をしめつける

君はどれだけの 涙を流して 僕を忘れたの

 

あの日、顕嵐くんがトラジャを抜けた日、私は正直怒っていました。顕嵐くんのことを好きだと思っていたのに、結局私は、“宮近くんの隣にいつもいてくれて、宮近くんを幸せにしてくれていた”顕嵐くんを好きだったんだと気づかされてしまった。推しを悲しませる人間なら、たとえ推しのシンメであっても割り切れない自分を知ってしまい、それからは去っていったメンバーも、すっかりトラジャ担だったことを忘れたかのように明るく振る舞える彼らのファンも、それから、トラジャのことも見れなくなってしまいました。「君はどれだけの 涙を流して 僕を忘れたの」って、とても切ない。

 

続く二番サビ。

 

すべてを奪うような 恋に臆病すぎて

そばにいても不安、と 君はふるえた

今の僕ならもっと うまく向き合えるのに

君が見つめてるのは もう僕じゃない

you were my girl, my girl 失って

you were my love, my love 気がついた

ありふれて見えた幸せに 時が経ってわかる 輝いた日々

 

「今の僕ならもっと うまく向き合えるのに」ってすごく思います。今なら、昔の映像も雑誌も普通に見て楽しめるのに、今は過去を懐かしむことしかできない。決して「ありふれて」いた幸せではなかったけど。

 

そしてCメロ。

 

せつない痛みほど 本当の強さとやさしさに変わる

そして出会う人と いつかまた歩き出せる

 

ここまでついしんみりとしてしまいましたが、Cメロに来てガラッと歌詞が肯定的になります。そして、ここの部分が今のTravis Japanとトラジャ担を一番表しているのではないでしょうか。

 

「せつない痛みほど 本当の強さとやさしさに変わる」

「そして出会う人と いつかまた歩き出せる」

 

「本当の強さとやさしさ」に変わったから、そして松松に出会えたから、Travis Japanは新しいスタートを切ることができたし、私もまた宮近くんのファンとして、Travis Japanのファンとして戻ってこられたのだと思います。なんて良い歌詞なんだ…

 

ラスト、大サビです。

 

見上げた空の彼方 光が射し込んでる

もうすぐこの雨も 止む時がくる

空に広がってゆく 茜色の輝き

人ごみにまぎれてく 君を照らすよ

you were my girl, my girl 想い出は

you were my love, my love 忘れない

僕たちは別の道を行く

交差点の向こう 空を見上げた

 

まだ、雨は止んではいない。私達はまだ涙を流すこともあるけど、それでも見上げれば光が射し込み、空は茜色に輝いている。

 

過去と別れを告げて、でも想い出は忘れずに、Travis Japanも、私も、輝く未来を見つけられたら良いな、と改めて感じました。

 

 

交差点の向こうに居たのは誰だったのか、それは、顕嵐くんかも、美勇人くんかも、拡輝くんかも、梶山くんかもしれないし、いつかの友かもしれないし、もしかしたら、あの頃の自分自身だったのかもしれない。

 

 

 

f:id:chaka_chan_tj:20200320162317j:plain

f:id:chaka_chan_tj:20200320162329j:plain

f:id:chaka_chan_tj:20200320162342j:plain