Summer Paradise 2020 俺担ヨシヨシ 自担推し推し 緊急特別魂 ― 宮近海斗 ソロ公演 ― 感想

その日、我々は夏の燦々たる日差しを浴びながら、期待を胸にTDCに向かって……ではなく、クーラーの効いた涼しい自宅、帰宅途中の電車内、カフェテリア等といった場所で、パソコンやスマートフォンの画面をじっと見つめていた。画面に大きく映し出されていたのは、「Summer Paradise 2020 俺担ヨシヨシ 自担推し推し 緊急特別魂」というポップなタイトル文字。そう、今年の夏のコンサートは、連日猛威を振るうコロナウイルスの影響で、初のオンラインでのオール生配信で行われることとなったのだ。そして、このイレギュラーな状況のなか、このSummer Paradise 2020のトップバッターを務めたのは、我らがTravis Japanであり、それも、グループとして、また、これまでのジュニアの歴史としても初のソロ公演であった―

 「俺担」という言葉の意味もまともに理解できないまま、8月1日から始まった各メンバーのソロ公演はあっという間に最終日を迎えた。2020年8月10日。この日は我が担当、宮近海斗くんのソロ公演日だった。これから自分が浴びるであろう膨大な情報量、そしてこれから来る予想も出来ない展開を前に呼吸もままならないなか、12時、先程まで映し出されていたタイトル文字は消え、画面は一気に暗闇と静寂に包まれた。うるさいほどの自分の心臓の音だけが響き渡った。

 

 

Summer Paradise 2020 俺担ヨシヨシ 自担推し推し 緊急特別魂 ― 宮近海斗 ソロ公演 ―

 

O.N.E ~Our New Era~ 

数多の青のスポットライトが誰も居ない会場を照らし、力強く壮大で荘厳な音楽が鳴り響く。会場の隅々を舐めるようにカメラが動き、スポットライトが集まった直後、カメラの前に現れたのは、紛れもないこの世界の覇者だった。

Sexy Zoneを履修していない自分にとっては、この曲は初めて聴く曲だったが、「嵐を越えていけ」「我らこそルールです」「二番じゃ意味ないです」「未だ五合目」という歌詞が心臓に突き刺さった。

今、たくさん取材をしてもらったりしてありがたいけど、自分的にはまだ下の方で。高低差がないから足元が揺らいでもケガはしないし、嫌なことがあってもTravis Japanは崩れない。まだこれからだから。7人で高みを目指さなきゃいけないからね。

 引用元:月刊 ザテレビジョン 2020年8月号

この曲を宮近くんが一曲目に選んだことにはすぐに納得がいった。そしてこれは宮近くんにとって決意表明のような曲なのかもしれないとも思った。これから高みを目指すTravis Japanのリーダーとしての風格、威厳、覚悟を示すにはじゅうぶんすぎるほどの力強いパフォーマンスだった。

 

Shelter

ついにこの時が来た。2012年から毎年連続で宮近くんが歌い続けてきたらしいこの曲を私も密かに楽しみにしていたので、歌い出しでもう既に感極まった。まだ2曲目だよ自分、と思いつつも、全然落ち着いてなどいられなかった。

I don't wanna miss you, You are my Shelter

ドアを開けといてくれよ

どんな遠い場所でも帰ってくるから

割愛されることの多いこのイントロの歌詞が流れてから、ジュニアの子が映っている間はずっと放心状態だった気がする(15時公演と18時公演で取り返すようにじっくり見た)。私のブログを読んでもらうと分かるが、自分は一度Travis Japanから離れていた身である。本当は離れている間も宮近くんのことはずっと変わらずに大好きだったが、現実を直視することもできず、また関心が別を向いていたことも確かだったため、「嫌いになられることと、忘れられること、宮近くんはどちらを悲しく思うだろう」と考えると言い訳は何もできなかった。だから、「ドアを開けといてくれよ どんな遠い場所でも帰ってくるから」は自分に向けて歌ってくれているかのように聴こえた。普段は内側から鍵をかけ、滅多なことでは開かないようにしている私の心のドアが偶然開いたあの日、そこで待っていてくれたのは、小さい背中に大きな夢と希望を背負った、あの時の少年だった。力強い歌声と余裕の笑みとは対照的な、歌詞に含まれた弱音が余計に刺さり、今までのぶんも愛させてほしい、そう思った時の「俺についてこい」というセリフは、世界で一番頼もしく、心強かった。

 

Masterpiece

ここでマスピを持ってくるとは……と、そのあまりの隙の無さに感動し思わず拍手を送ってしまった。事前のインタビューでこの曲を披露することは知っていたため、12時直前まで本家の音源を何度も繰り返し聴き万全の体制で臨んだが、結果はあちらサイドの圧勝だった。まず、関ジャニ∞のダンスナンバーを選曲しているという時点で、私のこの公演のチケット代1500円は実質タダとなっている。それもあって、この曲のイントロが流れた瞬間、「やっと来た……」という風に私はすっかり安心してしまっていた。この後、アレが待ち受けているとも知らずに。先程の『Shelter』に引き続き、こちらも宮近くんなりの“愛”の歌のように感じた。普段恥ずかしがり屋で、ファンサービスも得意ではないと話している彼だが、ここまでのパフォーマンスを見て、彼が“愛”の人であることは誰の目にも伝わったことだろう。こんなにも我々を想ってくれていることが堪らなく嬉しく、愛おしく感じる時間だった。ダンスナンバーということもあり、振付にも注目して見ていたが、如何せんサビの振付が宮近くんだけ速すぎて、何も頭に入ってこなかった。そこも含めて、あまりにも私の知っている宮近くんだった。

 

Rolling days

画面に何が映ったのか暫く理解が追い付かなかった、が、かの帝王、ショウ・サクライ氏のソロ曲だと気づくやいなや、ステージに現れた彼の姿を見て画面の前で声にならない悲鳴をあげてしまった。暫くはまともに息も吸えていなかったと思う。金魚のように情けなく口をパクパクさせることしかできなかった。その後すぐに、「自分が今いるこの場所がTDCじゃなくて本当に良かった」と思った。もし、例年通り、TDCでサマパラが行われていたら、今頃、客席のあちこちから悲鳴が聞こえ、宮近担はその場で卒倒していただろう。白のラフな服に身を包み、目隠しと手錠をされ、看守役2人に鎖を引っ張られるままに歩く彼がそこにいた。初めて見る彼の姿だった。

ステージ中央の椅子に座り、おそらく闇を演じているジュニア達に抵抗する様子も見せないまま、恍惚の表情を浮かべる彼と、それに重なるように彼の口から発せられる「一時の快楽」というフレーズ。それらすべてが官能的で、危険で、もうどうにかなってしまいそうだった。

彼にとっての闇とは何なのだろうと考えた時に、昔、「宮近くんは闇が深そうだ」と友人に言われたことを思い出した。言わんとしていることは私にもなんとなく分かったが、私自身は人に対して闇という言葉を使うことにあまり好意的にはなれないため、当時も聞くだけ聞いて軽く受け流したような気がする。あれから5年、少なくとも、彼が闘わなければならないものの種類も、大きさも、カタチも、あの頃とすっかり変わったことだろう。

これは宮近くんだけでなく、自分のもう一人の推しであるSUGA氏に対してのことでもあるが、彼らが闘い、背負うものは、物理的な質量を伴う類のものではない……とまではさすがに言い切れないと、これを書いている今になって思ったが(もっともアイドルのように人前に立つ人間が重圧や攻撃を受けないはずはない)、それでも、そういった仕事として背負うもの以前の、もっと根源的なものとして、身体に纏わりついて離れない、人肌の、それこそ闇のようなものが、もしかしたら存在するのかもしれないと、このパフォーマンスを見るなかで思う部分もあった。 

もう闇の中へ逃げよう(oh)

僅かな光の強さを見せよう(oh)

もう離れなくていいんですよ(oh)

だから・・・ 傍にいてよ(oh)

汚れたまんまでもいいの

夢の中まで逃避行(yeah yeah)

いつも現実は強引で(yeah yeah)

Rolling Rolling days

ゆっくりと、自らを縛る手錠と目隠しを外し、狂気すら感じさせるほどの笑みを湛えながら闇を次々に蹴散らし、その首を絞め、最後に宙に投げた赤い羽根がまるで返り血のように彼の額に付いた。この曲もまた、彼にとっての“愛”を唄った一曲のような気がした。

 

スクランブル

まさかこの曲を披露してくれるとは思っていなかったためイントロで感動してしまったが、何よりも、一番のAメロ、Bメロ、そしてサビを、ステージを囲うようにして配置したジュニアが歌い、宮近くんはそのステージの中央で舞うという演出の手法に驚いた。ジュニアコーナーすら物語の一部に取り込んだ松倉くんと同様、ジュニアの使い方が非常に上手かった。

立ち止まるぼくをあざ笑うように進む

時の中にあなたを探すの

つないだハズの小さなその手のひらの感触は

糸がほつれていくように流れた

『Rolling days』での雰囲気とは一転し、切なさ、やりきれなさ、悲しみを、しなやかな舞で表現する宮近くん。その所作の一つ一つが、まるで薮くんの綴った歌詞がそのまま染み込んだかのようだった。もしかしたら2015年のトラジュクリエで披露していた『水の帰る場所』でのソロのダンスもこんな感じだったのかもしれないとも思った。

「ああ 心さえ 涙さえ 届けられたら」

「あの日言えなかった あの言葉 伝えたくて Ah… さまよう」

この曲のなかの「あなた」が、宮近くんにとって誰を指すのかは分からない。答えを出してしまうことも憚られるだろう。ただ、目まぐるしく変わった世界と、変わらずに同じ場所に立ち続ける己との乖離の意が込められているようで、見ていて胸が締め付けられた。

 

砂のグラス

えび担を経験していることもあってこの曲に対しては深い思い入れがある私だが、数あるなかでこの曲を選ぶあたりが抜かりない。あと、ここまで特筆してこなかったが、宮近くん、めちゃくちゃ歌が上手い。抑揚が本当によく分かっている。自分はダンスは未経験だが、抑揚については、歌とダンスに共通するものなのかもしれないと思うほど、こちらが求めている、一番気持ちのいい盛り上がり方で歌ってくれるので、聴いていて爽快感が堪らなかった。振付は本家とは違ったので、これ用に新しく付けたのかもしれない。“時計を戻す”というフレーズに、千手観音のような動きを付けた辺りが素晴らしかった。『スクランブル』の世界観をそのまま引き継いだかのように切なく、しかし、どこか力強さも感じられるパフォーマンスだった。

 

挨拶

細かい内容はあまり覚えてはいないものの、兎に角、ものすっごく“宮近海斗”だった。前日に、「もし私の知っている宮近海斗が画面の向こうに居なかったらどうしよう」という不安で押しつぶされそうになっていたのが本当に杞憂だったくらい、今まで見てきたそのままの宮近くんだった。あまりの安心感で「アイス食べる時…… スプーンスプーンスプーン!!」でナチュラルに吹き出してしまい、ちょっと恥ずかしくなった。

 

思い出メドレー

やっぱりな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

だってあの宮近くんのことだぜ…… そりゃもう……やるやろ……

YouTubeで如恵留くんの「“宮近ヒストリー”が見れるかもしれないんだ?」に対して「そういうコーナーもあると思います」と言った時点でおそらく全員が覚悟していたことだろう。しかし、いざ来られるとそれはそれで、ただただ画面の前で身をよじり頭を抱えることしかできない自分がいた。

 

$10

ナチュラルに嗚咽した。何回聴いたんだってくらい聴いたイントロ、見覚えしかないサビの振付。それ…… おまえさんが振付したやつやん…… Don't stop sexy boyz……(違う)

「君が僕を愛し始めたのは ステキな偶然さ」

もうこのまま一生ついていきたいと思った。

 

NEVER AGAIN

『$10』でセクボの思い出に浸る隙も与えないほどの猛烈な勢いで、このサマパラで一番来てほしくもあり、一番来てほしくもないと思っていた曲が来た。『NEVER AGAIN』。ステージにはひとり。しかし、相方のパートも堂々と歌い上げる姿は、とてつもなく頼もしくて、カッコよかった。歌…… 上手くなったな……

 

Dial Up

さすがは宮近プロ。トラジュクリエの思い出に浸る隙も与えないほどの猛烈な勢いでまたもやセクボ曲を持ってくる辺りがどこまでも鬼。情報処理が全く追い付かなかった。個人的にセクボのなかでの宮近くんのカラーを勝手に緑色と思っていた節があったので、バックスクリーンに映るペンライトが緑色だったことが自分の中で解釈一致すぎて終始震えていた。宮近くんの周りに、あの頃の4人の姿が見えた。

 

Will Be All Right

どこまでも満点の展開だった。セクボとトラジュ、そのどちらもが宮近くんにとっては大切な青春だったのだ。そして、ラストにトラジュクリエを代表するこの曲を歌うことで、宮近くんのこれらの思い出の先に、Travis Japanで居続けているこの“今”が繋がっているように思えた。そして、最後のお辞儀には、これまでに宮近くん自身が深く関わった全ての仲間への敬意が込められているように見えた。

もしかしたら、この2020年という、“7人のTravis Japan”にとって正念場となる年に、宮近くんが、宮近くん自身の考えた演出で、これらの思い出を昇華するというのが、このメドレーの持つ真の役割だったのかもしれない。お辞儀をして頭をあげた時、宮近くんが清々しい顔をしているのを見て、私のなかでも一つの大きな区切りがついた。気づけば、私は画面に向かって拍手を送っていた。

 

 

無茶ぶり戦隊コナスンジャー

Your Seed

『Your Seed』をネタのつなぎに使うという暴挙に笑ってしまった。どうかやぶひかに怒られませんように。宮近くん曰く、“自分の組んだセットリストを見て守りに入っていると思い、後から入れたコーナー”だそうだが、ここまでのセトリを「守りに入っている」と思うそのストイックさに脱帽した。しかも、そこでお笑いコーナーを入れてくる辺りは、さすがはコメディアンという印象だった。バックについてくれているジュニアの子たちのことは、先日のJohnny's World Happy LIVE with YOUの配信で初めて拝見したが、その際に「もしかして笑わない人達なのか……?」と割と真剣に思っていたので、ニコニコ、ワイワイしながらちゃか先輩に付き合っていただいている様子がとても可愛らしくて安心した。あとは、宮近くんの身長2万メートルのくだりがめちゃくちゃツボに入ってしまい、笑いが止まらなくなってしまったことが少し悔しかった。

 

 

Where My Heart Belongs

MC、ジュニアコーナーを挟み、流れてきたのはまたしても初めて聴く曲だった。どうやらジャニーズワールドの曲らしい。 

How many years have passed?

どれほどの年月が過ぎただろう?
The precious things in life

僕の人生で大切なものたち
Remember the dream I drew on my heart

心に描いた夢を思い出す
When I close my eyes I ...

目を閉じると
See a stadium of stars,
満天の星に包まれる会場が見えるよ
Now I stand here by myself

そして今 僕は自分の力でここに立っている
Where My Heart Belongs

僕の憧れの場所に 

 

I wanted to fly high

僕は高く飛びたかった
I wanted to be strong

強くなりたかった
I wanted to go farther

もっと遠くへ行きたかった
And open my mind

そして心を開きたかった

 

How many years have passed?

どれほどの年月が過ぎただろう?
The precious things in life

僕の人生で大切なものたち

Now I stand here by myself

今 僕は自分の力でここに立っている
Where My Heart Belongs

僕の憧れの場所に

Now I stand here by myself

僕は今 自分の力でここに立っている
And I know there's more place where I should be

そして僕は 他にも自分が立つべき場所があると分かっている
I'll be there soon

もうすぐ そこへ行くよ

 

How many years have passed?

どれほどの年月が過ぎただろう?
The precious things in life

僕の人生で大切なものたち
Remember the dream I drew on my heart

心に描いた夢を思い出す
When I close my eyes I ...

目を閉じると
See a stadium of stars,
満天の星に包まれる会場が見えるよ
Now I stand here by myself

そして今 僕は自分の力でここに立っている
Where My Heart Belongs

僕の憧れの場所に

Now I stand here by myself

今 僕は自分の力でここに立っている
Where My Heart Belongs

僕の憧れの場所に

公演終了後、自分なりに歌詞を訳してみると、宮近くんがどうしてこの曲を選んだのかが分かった気がした。15時公演の最後のMCで、「Jr.マンションから約10メートル先のセンターステージに立つまでの遠回りが意味を成せたのは、メンバーや、事務所のスタッフさん、そして一番はみんなのおかげだと思っている」と言っていたように、このTDCという舞台は宮近くんにとっての“僕の憧れの場所”の一つだったのだろう。そして、ハリウッドや東京ドームといった、“他にも自分が立つべき場所”にもうすぐ行くから、という強い意志がそこには込められているように感じた。

 

まいったネ 今夜

帝国劇場から一気に青山劇場にワープしたかのようだった。屋良くんの振付をほぼそのままに、華麗なステップを踏む宮近くん。尊敬の意がそのまま表れたパフォーマンスだった。屋良くんにも見てもらいたかっただろうな。いつか、Travis Japanがデビューしたら、PLAYZONEも復活するだろうか。そんな淡い期待を抱いてしまった。

 

イン・ザ・ルーム

Summer Paradise 2018で披露されていた曲だそうだが、自分が見るのはこれが初めてだった。やはり宮近くんの低音ラップは最高だなと思った。ラップはやろうと思って誰もができるものではないし、歌以上に音程の付け方や、発声のテクニックが必要であると思うが、それをさらっとこなせるところがカッコいい。中村くんと共に、これからもTravis Japanのラップ担当として活躍してほしいと思った。

 

はだかんぼー 

イントロがかかった瞬間「まじか……!」と思った。2016年のトラジャクリエで美勇人くんが振り付けたそのままのダンスらしいということをTwitterで知ったので、15時公演と18時公演では振付に注目して見ていた。歌にしてもダンスにしても、完全に自分のものにしている印象を受けた。宮近くんにとって、今もなお、美勇人くんは偉大な存在なのだろうか。 思い出メドレーでは拾いきれないぶんの想いをここで、分かる人にだけという形で見せてくれたような気がして少し嬉しかった。

 

Swing! 

「宮近くん自身が凄く好きそうな曲だ……!!」と思うくらい、HIPHOPでブギウギで最高に楽しい曲だった。ラップが本当にカッコいい。最高すぎる。誰の曲なんだろうと思って調べたらV6さんの曲だった。凄い。この曲を選曲してくる辺りにめちゃくちゃときめいて心が撃ち抜かれてしまった。バックのジュニアのダンスや、和気あいあいとした雰囲気もとても微笑ましく、印象に残っている部分としては、佐藤新くんが宮近くんの後ろで愛嬌をしているのが可愛かったのと、サビの時の低姿勢のダンスが人一倍安定しているところがギャップがあって良かった。

 

To my homies

選曲、演出、全てが素晴らしかった。全員のソロ公演に対して言えることだが、“ソロ公演だけど、ひとりじゃない、7人と、そしてファンのみんながいる”ということを、7人全員が演出等を通して我々に感じさせてくれたところに、Travis Japanというグループのあたたかさを感じた。

ソロ公演中である宮近くんのもとへ次々と電話がかかってくる。「BBQしてるんだけどなんで来ないの?」とか、「今日オレ誕生日だよ!」とか、そんなたわいもない話。「今、ライブ中なんだけど……?」と困りながらも優しく電話の向こうに話しかける宮近くん。宮近くんがいつか、9人であることを最後まで我々に訴えかけてくれていたことを思い出す。あの頃はみんなバラバラだったかもしれない。でも今は、みんな同じ方向を向いていると信じられる。

なんでだろう まったくもう
顔見たくなる 時間経つと
いつか共に分かち合った苦労
寄り道感覚 散策路(yeah yeah)
狭い部屋 いつかはデカい世界 羽ばたく日を描いては
語りあかし続けてた one day
未完成の日々がいま大切

未だ五合目かもしれない、今足元が揺らいでもケガしないかもしれない。それでも、世界に羽ばたく夢を見て、狭い部屋で来る日も来る日も練習を繰り返しているこの今が、いつか、大切な思い出となるように。

光も暗闇も 全てを受け入れて
またはじめようよ ずっと信じてる
いつかのあの歌も 今になって受け入れて
全身全霊で行こうよ ずっと信じてる

「あ~あ、はやくみんなと会いてぇな~ それまで、今日を精一杯頑張ろう。エイ、エイ、オー!自分。」

 

間違っちゃいない

涙一粒 星降る夜に

光れない 馴染めない
なぜ同じ様に生きれないの
予定詰まったカバン捨てて帰ろうかな
眩しい近所の夜空

間違い探しの世界で 赤ペン持つのかい
インクが足らないね

間違っちゃいないよな
君と出会ったことも 夢を信じることも
答えに牙むいてさ
何度も何度でも
さよなら上の空 僕は僕で僕なんだ
間違っちゃいない
間違っちゃいないんだ

ジャニーズ事務所に入って10回もの冬と春を繰り返し、その間に数え切れないほどの出逢いと別れを経験して、こうしてTDCのセンターステージにひとりで立つまで、一体どれだけの苦悩や挫折があったか、我々はただ推し量ることしかできない。それでも、宮近くんがこの曲を歌い、「間違っちゃいない」という答えを出したことが、涙が出るほど嬉しかったというか、良かったというか。それ以上に、「間違っちゃいない」と歌った宮近くんが、いつか「間違っちゃいなかった」と笑えるように、私も頑張らないとなと思った。

 

ROCK THA TOWN

しめちゃんが『Koi-wazurai』を歌った時と同じくらい驚いた。セクゾさんやキンプリさんの曲も普通に歌っていいんだな…… バックスクリーンに映る4人の影たちとのやりとりが、大野くんの『Bad boy』のパフォーマンスを彷彿とさせる。宮近くんの得意そうなダンスのジャンルだなと思いながら、同時に、私はこの人のダンスが好きだなと改めて感じた。あとは、落ちサビ部分と言うのが正しいかは分からないが、一オクターブ下で歌ったあとに、またもとの音の高さでラスサビを歌っているのを聴いて、彼の音域の広さに衝撃を受けた。余力があれば、今回のサマパラのセトリから宮近くんの音域を推定してみたいと思った。

 

Crazy Accel

一瞬、自分だけ思い出メドレーの時空に戻ってきてしまったんじゃないかと疑ったが、どうやらそうではなかったようだ。きっと、参戦してもいない2015年トラジュクリエを引きずりすぎた私のようなオタクのために宮近くんが墓を用意してくれたのだろう。ありがたく入らせてもらった。いつか見たいなと思っていたこの曲が見れただけでもう大満足だった。戸塚祥太のパートを歌う宮近海斗、あまりにも至福のひとときだった。

 

真夜中のシャドーボーイ ~SENSE or LOVE Remix~

Remix?!と例に漏れず私も混乱した。どうやら、2008年10月22日に発売されたシングル『真夜中のシャドーボーイ』のRemix ver.として、SENSE or LOVEツアーで突然披露され、そして2019年5月22日発売の『Lucky-Unlucky/Oh! my darling』のカップリングとして音源化されたらしい。原曲との一番の違いはラップパートが組み込まれている点だそう。なるほど。このEDM調のアップテンポな編曲と、音ハメのエグいダンス、そしてラップ。つまり、宮近くんが特化したスキルがこのRemix ver.で余すことなく火を噴くという訳だ。ラストにとんでもない曲を持ってきたもんだ。私がもしバックについていたら泣いてただろう。音ハメの天才と隣で踊らなければいけなかったジュニアの子たちのプレッシャーを察する。

 

Together Now

Together Nowは今回のTravis Japanのソロ公演のラストを飾る7人共通の曲だった。だから、もし私が仮にセトリを組むならば、この曲の前は感動的なバラードか、もしくは多くの人が知っていて、かつ笑ってお別れできるような曲を用意して、そこで喉を温めつつ、最後にこの曲を歌うことで、コンサートを“いい感じ”に収めようとしていたと思う。しかし、中村くんや宮近くんは違った。中村くんも、宮近くんも、バラードで一旦区切りをつけた後、またそこから持ち直すかのようにラスト3曲、自分の魅力を最大限に引き出せる最強の手札を披露したのだ。それはまるで、アンコールで『Guys PLAYZONE』を踊るTravis Japanのようだった。もしかしたら今回のちゃかパラは、実質『間違っちゃいない』までが本公演、そしてその後の3曲がアンコール曲、そしてダブルアンコールとしての『Together Now』だったのかもしれないと今になって思う。そして、「三公演とも、しっかりと燃え尽きていきたい」という言葉どおり、最後の力を振り絞って力強く『Together Now』を歌う宮近くんの姿に胸が熱くなった。綺麗に歌い上げるだけが全てじゃない、もっと人の心を揺さぶる、大切なものの存在に、宮近くんを通して改めて気づかされた。それは自分が全く持っていないものだった。ラストのフェイクを見事に歌いきり、階段を上って、カメラの前に立った宮近くんが最後に言った言葉は、「いつもありがとう」という、とてもシンプルな一言。そして画面には、

いつもありがとう 「いつも」と言えるのは 宮近の「いつも」にみんながいるからです 本当にいつもありがとう 宮近海斗

というメッセージが映し出された。

「ここに立てているのは、スタッフさんもそうだし、家族とか、メンバーもそうだし、感謝の意はみなさんにも一番感じているので。でも僕が恩返しできるのって、やっぱ“コレ”しかないんですよ。やっぱこのステージ上でとか、みんなの前に立つことで、みんなに恩返しができるので、僕には“コレ”が、Travis Japanが全てです。」

12時公演、15時公演と、二度、彼を見送った後、オーラスとなる18時公演の最後のMCで、宮近くんはこう述べた。本当なら、全てが終わった後に映し出されるはずのメッセージが、18時公演ではMC中に映し出された。

『Together Now』を歌いきり、6人の幻影が消え、ひとりでステージの階段を上がっていくのだろう、私はただぼんやりとそう思っていた。しかし、幻影が消えても、宮近くんはひとりではなかった。あまりに頼もしい6人の仲間がそこに立っていた。

如恵留くんのソロ公演で皆の幻影が消えていく演出を初めて見た時、正直、かなり精神的にくるものがあったが、同時に、その程度の覚悟じゃ自分はTravis Japanを愛することはできないぞとも思った。顕嵐くんを笑顔で送り出してあげられなかったあの日。美勇人くんの「最後のひとりになってもTravis Japanで居たい」という想いを永遠にしてあげられなかったあの日。だから、もし仮に宮近くんの仲間がまた違う道を歩もうと決心しても、今度こそ、その人のことをちゃんと信じて応援してあげられる強さを持てるようになりたいとずっと心のどこかで思っていた。でも、今回、全員のソロ公演を見ていくうちに、見れば見るほど、メンバー全員に対する「好き」という気持ちが大きくなり、ソロ公演が終わってからも、とらまるでグループへの愛と今度への抱負を語るメンバーを前にして、このような心配をしてしまっていたことが逆に申し訳なく思った。この世に永遠はないけど、この7人だったら永遠をつくることができるかもしれない、そう思った。だから、こうして最後の最後に、全員が同じステージに集まったのを見て、思わず涙が込み上げた。

 

トーク(18時公演)

『Together Now』が終わった後、嬉しそうに、お互いを褒め合い、たたえ合う様子を見て、本当に素敵なグループだと改めて感じた。

「もともとそういう関係性だけど、改めてちゃんと見てみると、やっぱり褒めどころしかないし、そうやって高め合えるメンバーがいるのはすごい嬉しいことだよね。見てもらって、『スゲーよかった!』『刺激受けた!』ってなれるメンバー、しかもそこがホームだから。素晴らしいグループだなって。一人ひとりも思ったけど、グループとしても素晴らしいグループだなって思った公演だったので。」

宮近くんのこの言葉の後に、「最高!!」「スゲーよ!!」「俺らのリーダーだよ!!」「お前がリーダーだよやっぱ!!」「リーダーで良かった!!」という声が次々に飛んできたことが凄く嬉しかった。その後の松倉くんの「お前…… 疲れたろ??」に対して、みんなと会えたから元気になったと言って“強い人”のギャグをやろうとする宮近くんも、「やってやって!!」と喜ぶメンバーも、いつもの、私達のTravis Japanだった。

ステージの周りから特効の花火が上がり、「お前ら最高だよ!!」「閑也、誕生日おめでとう~!!」「最高の仲間を持ちました~!!」などと言いながら真ん中にぎゅっと集まる7人。夢ハリのタップを楽しそうに踏んだのち、如恵留くんの「以上、Travis Japanでした~!」という言葉で、配信は終了した。7人の、和気あいあい、そしてときどき爆笑のトークにより、宮近くんのソロ公演オーラス、そしてTravis Japan全体のソロ公演オーラスは、沢山の笑いに包まれて幕を下ろした。

18時公演の配信が終わった後も、我々は感傷に浸る間もなく、20時に突如アップされたYouTubeを見ては「アイス食べる時…… スプーンスプーンスプーン!!」が伏線だったことに衝撃を受けつつ、20時半からの「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」を観ながらハーゲンダッツを食べるなどし、音速でこれまでどおりの“日常”に戻っていった。

サマパラが終わっても、YouTubeやテレビ、Instagram、とらまるなどで、我々とTravis Japanとの道はこれからも日々続いていく。そのことを、“当たり前の日常”と思える幸せを、私はひとり噛みしめた。あの頃叶わなかった夢も、7人とみんななら叶えられる気がする。だから、たとえTravis Japanがこれから進んでいく道が、回り道や上り坂だったとしても、茨の道だったとしても、花道だったとしても、共に肩を組んで、想い合って、どこまでも歩んで行きたいと思った。


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「2020年、最高の夏をありがとう。大好きです。」