「虎者 -NINJAPAN-」はなぜ特撮作品といえるのか ーニチアサ特撮作品から読み解く「虎者 -NINJAPAN- 2021」第一幕とアイドル・Travis Japanの物語ー

 

ちゃこまる,2021.

 
「虎者 -NINJAPAN-」はなぜ特撮作品といえるのか 
ーニチアサ特撮作品から読み解く「虎者 -NINJAPAN- 2021」第一幕とアイドル・Travis Japanの物語ー
 
ジャニーズ大学ジュニア学部
トラビスジャパン学科宮近海斗専攻
 おちゃこ

 

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Abstract

「虎者 -NINJAPAN-」とは、ジャニーズJr.グループ・Travis Japan主演の舞台であり、2019年に上演されて以降、現在の2021年に至るまで毎年上演されている。同公演は、虎者達の物語を描く第一幕、そしてTravis Japanが歌とダンスでパフォーマンスするShow Timeに分かれており、第一幕は、脚本の余白が多く、観る者の解釈の幅がある作品となっている。本稿では、同じく正義の在り方を描いている、テレビ朝日系列の通称「ニチアサ」内の特撮作品を基に、同公演の物語の構造を分析することで、ニチアサ特撮作品との関連性、および、同公演の脚本の意図を読み解くことに成功した。この結果は、「虎者 -NINJAPAN-」第一幕がニチアサ特撮作品的性質をじゅうぶんに有していることを示している。また、それらの結果を基に、「虎者 -NINJAPAN-」第一幕とアイドル・Travis Japanとの関連性について考察し、Travis Japanというアイドルの在り方についても論じている。劇中に登場するトランポリンの意図については、ニチアサの作品であるプリキュアも用いて考察したうえで、今後さらなる議論が必要がある。

Keywords:虎者 -NINJAPAN-,Travis Japan,特撮,ニチアサ,仮面ライダーシリーズ,スーパー戦隊シリーズ,正義

 

 

序論

 「虎者 -NINJAPAN-」とは、ジャニーズJr.グループ・Travis Japan主演の舞台で、2019年に上演されて以降、現在の2021年に至るまで毎年上演されている。今年度は京都四條南座から幕を開け、東京新橋演舞場、愛知御園座、そして広島文化学園HBGホールと、4都市で計79回の公演となった。

 「虎者 -NINJAPAN-」は虎者達の物語を描く第一幕、そしてTravis Japanが歌とダンスでパフォーマンスするShow Timeに分かれており、第一幕は、脚本の余白が多く、観る者の解釈の幅がある作品となっているため、一から十までセリフを用いて視聴者に詳細な説明を提供するような作品とは少なからず異なるテイストの物語になっていると言える。なかでもとりわけ昨年度は、虎者達の父である朱雀の心情描写に対する解釈や、敵キャラであるハヤブサの存在理由、そもそも虎者達がなぜ紅孔雀(赤忍者)と碧鷺(青忍者)に分かれているのか、そして本作品における正義や絆の在り方に関して、明確な答えは用意されておらず、作品を観た各々が咀嚼する必要があった。なお、今年度は再び脚本が改変され、物語の設定も大幅に変わり、明らかになった部分もあれば、依然表されていない部分もあった。

 ここで、時代とともに移り変わる正義や絆の在り方に対して常に多角的に向き合い、それらの真の在り方を見つめ直す作品のひとつに、円谷プロが制作するウルトラシリーズ東映が制作する仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズなどのいわゆる「特撮作品」*1がある。

 「虎者 -NINJAPAN-」は、前述の「特撮作品」と一見関係は無いようにも思えるが、私は、ともに正義の在り方を描いた作品として、同公演の第一幕を考察するにあたり有効であると仮説を立てた。本稿では「虎者 -NINJAPAN- 2021」第一幕の物語の謎多き部分を、主にニチアサ特撮作品を基に読み解き、「虎者はなぜ特撮作品といえるのか」について報告する。

 

 以下、「虎者 -NINJAPAN-」の第一幕の内容及び、一部特撮作品のネタバレを含む。

 

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準備

「虎者 -NINJAPAN- 2021」第一幕 概略

 

世界は大悪党・カゲロウの手で闇に覆われていた。カゲロウと手下の影虎達が更に闇を色濃くしようとしている。預言者・朱雀が天に願うと、空より落ちてきた七つの雫から七人の戦士「虎者」が現れたのだった─── 

 

朱雀「虎者よ、よくぞここまで修練を積んだな。今こそカゲロウと影虎を倒す時だと!」

カゲロウと影虎達の打倒に意気込む虎者達、一方でゲンタは一人、自分達にはまだそれだけの力が備わっていないのではと慎重な様子を見せる。

ゲンタ「まだ力が足りないのでは…」

そんなゲンタに諭すように、他の虎者達は、7人が力を合わせれば大丈夫だと、自信を持つよう言い聞かせる。

ノエル「カゲロウとて人の子、改心するやもしれません。」

 

朱雀は預言の力により、カゲロウの行く先が二つ可能性があることを知り、これを虎者達に伝える。虎者達は、今はカゲロウに辿り着くことが先決とし、二手に分かれる案を出す。しかし、ゲンタは七人で一緒に行くべきではと訴える。意見が分かれる虎者達は、朱雀に指示を仰ぐ。

朱雀「お前達で定めるがよい」

カイト「では… 分かれよ!」

 

こうして虎者達は二手に分かれ、赤の衣装を纏ったカイトを含む三人(紅孔雀)と、青の衣装を纏ったノエルを含む四人(碧鷺)に分かれ、カゲロウが現れるであろう場所へとそれぞれ向かった。

虎者達が去った後、朱雀は一人つぶやく。

朱雀「預言とは常に変わるもの… カゲロウ、今こそ運命の時だ…」

 

大勢の手下を従えるカゲロウ。しかし、その中で一人、ハヤブサだけはカゲロウの命令を聞かず勝手な行動をし、手下達からも反感を買っているようだ。

ハヤブサ「目障りなものは潰す…」

他の影虎達「カゲロウに忠誠を誓え!」

カゲロウ「分かったら私の言うことを聞くんだ!虎者の首を取るんだ!」

 

ハヤブサ「どいつもこいつも、カゲロウの言いなりになりやがって… 協力?俺達は最初からバラバラだ。俺は好きなようにやらせてもらう」

 

紅孔雀が預言の地へと到着する。しかし、敵はおろか、人がいる気配が全く感じられない。不審に思う三人。そこでカイトが、カゲロウ達の真の居場所は碧鷺の向かう地であることに気づく。

カイト「俺達の足止めだとすれば… ノエル達が危ない!」

 

その頃、碧鷺はカゲロウ達と対峙する。戦う碧鷺達。初めは優勢に見えたものの、足を掬われた仲間の一人を助けようとしたノエルが逆に追い詰められ、ノエルはハヤブサが持つ大きな刀により斬られてしまう。捕らえられてしまったノエル。

ハヤブサ「これが噂の虎者か… つまらぬ」

カゲロウ「虎者は七人。あと三人いるはずだ!お前達!帰って朱雀どもに伝えな…!」

これは罠だ、自分のために朱雀殿も仲間も危険な目に合わせてしまう、ノエルは必死に叫ぶ。

ノエル「行ってはならぬ…!」

カゲロウ「地獄谷で待ってるよ…」

ノエル以外の碧鷺の三人は苦渋の決断を迫られるも、朱雀達に事態を伝えるため、戻ることを選択する。

 

三人が去った後、ハヤブサは突如ノエルに斬りかかろうとする。それを止めるカゲロウ。

ハヤブサ「敵は倒せる時に倒せ、と、カゲロウがそう教えたじゃないか」

しかし、カゲロウはノエルをあくまで人質として利用するつもりらしい。

カゲロウ「虎というよりは猫、震える可愛い子猫じゃないか」

ノエルを嘲笑うカゲロウと他の影虎達。納得のいかない様子のハヤブサ

ハヤブサ「俺は俺のやり方でやらせてもらう…」

 

ここで舞台は暗く紫色に立ち込め、物語の流れが変わる。カイトのソロシーンから始まり、虎者全員のシーン、そしてノエルが敵達に担がれ、死を示唆するように十字架を表した状態で運ばれていく。影虎達がカゲロウを先頭に行進する。朱雀が虎者達一人ひとりの頭上に両手を掲げる。力を与えているのか、それとも… 幼い子供の笑い声が不気味に鳴り響くなか、カゲロウは一人うずくまる。虎者達が次々に影虎達にやられ、絶体絶命に。頭を手で押さえ、苦しそうなカイト。これは誰かの悪夢なのだろうか。朱雀はカゲロウを斬り、助けの手を伸ばすカゲロウをそのまま見放す。そしてついにカイトはハヤブサに斬られてしまう。舞台は真っ赤に染まる─── 

 

うずくまるカゲロウ。ここで物語は現実に戻る。

 

影虎達に痛み付けられるノエル。それを見ていたハヤブサがつぶやく。

ハヤブサ「カゲロウはもう終わりだ」

オオワシ「裏切るつもりか…?」

影虎達にハヤブサはこう囁く。

ハヤブサ「いい事教えてやるよ… 耳貸せ」

ノエル「嘘だ…!!!」

ハヤブサの言葉を聞いていたノエルは叫ぶ。

ハヤブサ「盗み聞きは良くないぞ。まあいい… 冥土の土産だ…!」

自らの大きな刀でノエルを斬りつけるハヤブサ

 

ノエル『早く知らせなければ… 朱雀がっっ…』

 

ハヤブサの言葉を聞いた他の影虎達は、影虎の中でも冷静沈着なオオワシを除き、ハヤブサの持ちかけた話に乗り気を見せる。考えるオオワシ。しばらくしてオオワシが言う。

オオワシ「カゲロウ… さらばだ…」

こうして他の影虎達はまんまとハヤブサ側に寝返ったのだった。

 

カゲロウ「やけに静かだね… オオワシ…!ミミズク…!クマタカ…!アカモズ…!」

返事はない。

カゲロウ「まさか…!!!」

ついにカゲロウは自らが孤軍となってしまったことに気づく。そこへノエル以外の虎者六人がやってくる。

 

どこからともなく矢文が飛んでくる。その中身を見たカイトは絶句する

カイト「…はぁ?!」

カイト「仲間は死んだ…」

取り乱す6人、そしてカゲロウ。

全てが罠だったのだ、そう嘆き悲しむ虎者達。

それでもカイトは僅かな希望を捨てない。

カイト「ノエルが死んだのは何かの間違いと信じよう… カゲロウ、着いてきてもらおうか」

 

ハヤブサと他の影虎達に捕らえられた朱雀。そこにカゲロウを捕まえた六人が駆けつける。虎者達は朱雀を解放するよう求めるも、影虎達から、まずはカゲロウを離すよう要求される。カゲロウを解放する虎者達。そこで突如カゲロウはオオワシに命令する。

カゲロウ「オオワシ…!今すぐ朱雀をぶっ殺しちまいな!」

しかし次の瞬間、ハヤブサがカゲロウを斬りつける。

ハヤブサ「悪いな…」

カゲロウ「あ゙あ゙…っっ!!!!」

絶叫するカゲロウ。

カゲロウ「クソ親父… 裏切ったな…っっ!!!」

 

ここで朱雀が口を開く。

朱雀「我が娘カゲロウよ。なぜノエルをすぐ殺さなかった?敵は倒せる時にすぐ倒すと教えただろう。お前は真の後継者ではなかったのだな」

イト「朱雀殿… いったい何を仰っているのですか…」

朱雀「この朱雀こそ、闇の帝王・朱雀だ

朱雀は自らの娘カゲロウを闇の帝王の真の後継者にするために育てるも、カゲロウの弱さに見限り、軟弱な世継ぎに用はないと切り捨てたのだった。

カイト「朱雀殿… いや、朱雀…!」

怒りを隠しきれない虎者達。自分達を育て上げた朱雀の姿は偽りであったのか。朱雀が答える。

朱雀「闇で覆う世界を絶望で包むのが平和だと思わぬか?本物でなければ本物は生まれぬ」

 

虎者達が生まれた理由、その全ては、闇の帝王・朱雀がカゲロウを真の後継者にするために用意したお膳立てに過ぎなかったのだ。

 

カゲロウを殺そうとする朱雀、そこに何者かが駆けつけ、カゲロウを守る。

ノエル「待て朱雀!!!!」

虎者達「ノエル!!!!!」

ノエル「カゲロウを…!!!殺させない!!!」

ハヤブサにノエルは殺したのではなかったのかと問い詰める朱雀。

ノエル「簡単に死ぬな、そう教えたのは朱雀ではないか!」

生きててさえいれば、そう安堵する虎者達。

ノエル「俺も虎者の端くれだ…!」

ついに全員揃った虎者。虎者は影虎達と再び戦う。

 

場所は変わり、朱雀と影虎達、そしてカゲロウがいる。

朱雀「闇の戦士よ… 余の後継者として、ハヤブサを命ずると…!」

カゲロウ「ハヤブサ…!お前…!」

カゲロウを見限った朱雀は、ハヤブサを真の後継者として認めた。新しい闇の帝王となったハヤブサとその手下となった他の影虎達は、絶望と悲劇が覆う世界を創ると誓う。

 

かつての手下にも裏切られ、見下され、完全に孤独となったカゲロウ。

カゲロウ「虎者よ… 朱雀を必ず… 殺してくれ… こいつは私の母上を殺した… 母上の仇… 必ず討ってくれ… そして、お前達の信じる、平和な世にしてほしい…」

 

かつて朱雀は自らの妻もあるカゲロウの母親に容赦なく刀を振り下ろし殺害したのだった。そしてカゲロウは朱雀へ、亡き母の復讐を果たそうとしていたのだった。

 

カゲロウは、朱雀に尋ねる。

カゲロウ「最期に聞かせてくれよ… なぜ母上を殺した…?」

朱雀「闇の世に似つかわしくない女であったでのう…」

カゲロウに刀を向ける朱雀。

朱雀「死んで母のもとへ行くがよい!」

朱雀がカゲロウを斬りつけようとしたまさにその時、白と金の衣装に身を包んだ虎者達が現れる。虎者達はトランポリン、殺陣と、様々な技で魅せる。

 

影虎に捕らえられ、痛み付けられるカゲロウ。

影虎達「虎者…!出てこい!」

再び登場する七人。ハヤブサ達と長く熾烈な戦いを繰り広げる虎者。しかし、カイトがハヤブサに斬りつけられてしまう。まるで、悪夢が現実となったように。

ハヤブサがトドメを刺そうとしたまさにその時、カイトをかばうようにカゲロウが前に立ち、そのまま斬られてしまう。瀕死のカゲロウの元に駆け寄る虎者達。

カゲロウ「虎者達の腕の中で死ねること… 本望だよ… 朱雀は… 私の母を殺した… 私の仇… 必ず討ってほしい… そしてこの闇の世にもう一度… 子供達の笑顔を…」

動かなくなったカゲロウ。虎者達は悲しみと怒りに震える。

カイト「朱雀… 許さぬ!!!!」

ノエル「朱雀ゥゥゥゥ!!!!」

 

朱雀の誤算は虎者達の思わぬ成長とその絆の強さだった。娘を後継者とするための駒でしかなかったはずの虎者達だが、朱雀の予想を上回る強さを身につけていた。

朱雀「まさか、誠の虎者となったというのか…!?」

朱雀に仕えるハヤブサと影虎達。ところがハヤブサは次の瞬間朱雀に斬りかかる。

ハヤブサ「貴様の力を全てよこしやがれ!!」

朱雀の身につけていた首輪を奪い取り自らに装着したハヤブサは朱雀の力を取り込んだ。ついに虎者とハヤブサ達の最後の戦いの火蓋が落とされる。

 

熾烈な戦いの末、虎者達は影虎達を斬り倒し、最後に全員同時にハヤブサに斬りかかることで、ハヤブサを倒した。

 

全てが終わった。六人は当初ノエルを置いていってしまったこと、七人全員でいなかったことをノエルに謝る。それを許すノエル。「これからどうするかね…?」そう問う仲間にカイトは答える。

カイト「進むしかないさ」

ノエル「サムシンググレートだな!」

自分達を育てた朱雀が闇の帝王であったことにはまだ痼が残る虎者達。しかし、カイトはなお朱雀を師として慕っているようだ。

カイト「俺は…やはり、朱雀“殿”、だな。朱雀殿のお陰で、七人が絆で結ばれたのだから」

どんなにつらいこと、苦しいことのなかにも、必ず、幸せや楽しみがある。そう信じて虎者達は、誰一人欠けることなく、七人全員でこれからもいることを誓うのだった。

 

そして誠の虎者として強くなった七人を待ち構える敵達。虎者達の戦いはこれからも続く───

 

虎者 -NINJAPAN- 公式サイト

www.ninja-pan.jp

ゲネプロの様子

mdpr.jp

news.yahoo.co.jp

natalie.mu

www.vivi.tv

news.mynavi.jp

本論

特撮との構造性の比較

 そもそも「特撮」とは、「特殊撮影」の略であり、通常の撮影法では得られない映像を作り出す技法のことである。日本では、一つの文化、映像ジャンルとして、特殊撮影技術が大きな役割を果たして制作された作品全体を「特撮」と指すこともある。*2

 その主な代表作としては、ゴジラシリーズ、ガメラシリーズ、モスラシリーズ、ウルトラシリーズ仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズなどが挙げられる。なかでも、現在、土曜朝に放送しているウルトラシリーズ、そして"ニチアサ"の愛称で知られる日曜朝に放送している仮面ライダーシリーズスーパー戦隊シリーズは、若い世代にとってはより身近な特撮作品ではないだろうか。

 「虎者 -NINJAPAN-」は映像作品ではないため、いわゆる特撮作品のように変身シーンや必殺技をCGを用いて演出したりすることはできない。しかしその代わりに、プロジェクターで映し出した映像の技術を用いて、技を可視化する等の技巧が凝らされている。照明や音楽、プロジェクターを駆使し、アクロバットや殺陣で魅せる舞台は、シアターGロッソで開催されるヒーローショーや、仮面ライダースーパーライブを彷彿とさせ、舞台という空間における魅せ方の構造は類似していると言うことができるだろう。

youtu.be

 このことは、初年度の「虎者 -NINJAPAN- 2019」のアクション監修を務めたのが、ウルトラシリーズスーパー戦隊シリーズ仮面ライダーシリーズにおいて大変有名なアクション監督である坂本浩一監督と、同シリーズにおいて数多く活躍しているスタントマンの岩上弘数氏であることからも妥当と言える。

www.nihon-eiga.com

 そして、特撮作品の中でも「ニチアサ」と呼ばれる仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズ東映が制作しており、それらにはある程度定番のストーリー展開や変身形態進化がある。

 たとえば、「仮面ライダー 父親」と検索すればヒットするように、特に平成ライダー第二期では「作品に登場する父親もしくは父親的存在が大抵全ての元凶」である作品が多く*3、また、「最終フォームは金色」、「奇跡の変身の際に白い羽根が舞う」、「ほぼ毎作品必ず敵キャラの1人は味方側に光堕ちする」等の定番の流れや、「水に落ちた登場人物は最後まで生存している」*4、「仮面が割れたライダーは最後まで生存している」等のいわゆる生存フラグもある。

 東映制作のニチアサ作品と円谷プロ制作のウルトラシリーズ作品とでは、話の展開の仕方が少々異なり、私は「虎者 -NINJAPAN-」はニチアサに近いストーリー展開であると考えた。なおウルトラシリーズ作品「ウルトラマンZ」には、カゲロウ役の松田リマ氏も出演しており、カッコよくて時に可愛いエースパイロット・ナカシマヨウコ役の松田リマ氏が見られるため、こちらもぜひご視聴を勧めたい。

m-78.jp

 

モチーフと時代設定

 虎者は忍者モチーフでありながらも、時代設定は近未来であり、トランポリン時の背景には近未来的都市の描写が登場する。馴染みのない人にとっては一番初めに引っかかる点かもしれないが、このような、"モチーフと時代設定のズレ"は、ニチアサにはよく見られる。

 たとえば、ガラケー等の文明が発展した放送当時の現代社会をそのまま反映した世界のなかで、一度死んで蘇った主人公が、歴史上の偉人や英雄の力を借りて変身する仮面ライダーゴースト」伝説のラストニンジャである伊賀崎好天の孫である5人の忍者が、妖怪を統べる牙鬼幻月の封印が444年の時を経て解かれるのを防ぐために、2015年の世でニンニンジャーに変身して戦う手裏剣戦隊ニンニンジャー*5などがある。

 

www.tv-asahi.co.jp

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 また、特撮ではないものの、同じ忍者をテーマとしており、「NARUTO -ナルト-」の続編であるBORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」も、電車が通り、科学忍具の技術が発達し、ハンバーガーもチキンもケーキも手に入るなど、文明が発展した里が舞台であり、忍者と現代社会(あるいは近未来)との組み合わせは珍しくない。

 

虎者の正体

 今年度では、公式パンフレットによれば、預言者・朱雀が天に願った際、空から落ちてきた七つの雫から七人の戦士「虎者」が現れる、という設定であった。ちなみにこの七つの雫には、Travis Japanの各々のメンバーカラーと同じ色が使われている。この設定自体はウルトラシリーズや、天装戦隊ゴセイジャーを彷彿とさせる。

 ウルトラシリーズでは、同一の世界を共有している作品と、独立した世界が舞台の作品に分かれるため、一概には言えないが、銀河系の外からやってきた巨大な宇宙人が、さまざまな怪獣から地球を守るというのが、多くの人が持つウルトラシリーズへのイメージであろう。

 また、「天装戦隊ゴセイジャー*6戦隊シリーズ初の“天使”をモチーフにした戦隊であり、地上に降り立った5人の「護星天使」こと天装戦隊ゴセイジャーが「悪しき魂」に立ち向かうという物語である。

www.toei.co.jp

 しかしながら、舞台を作り込んでいく過程において、「7人はもともと別々の戦士で、”朱雀が拾ってきて育てた”という設定のみが決まっていた」*7との記述もあり、こちらはパンフレットに記載されていた設定と一見矛盾する。

 ここで、この矛盾を解消する一つの仮説を提示する。それは、虎者達はもともと異なる世界、もしくは異なる星のもとで戦士として存在していたが、朱雀が己の後継者を擁立するためのお膳立てとして戦士を集める際、天からの啓示で七人を召集し、自らの都合の良いように育て上げたという筋書きである。この場合、パンフレットの設定と上記の設定との両方を満たす。というのも、朱雀の「預言者」としての力と、天に願ったことにより虎者達が空から現れるという設定との間に直接的な因果関係があるとは少々考えにくい。預言者」とは天や神からの啓示を受け、それを大衆に伝える者を指すのであって、無から有を生み出す者を指す言葉ではないからである。しかしながら、朱雀が自分の力によって虎者を生み出したのではなく、啓示により選ばれた七人に対し、啓示を伝える役割を果たす朱雀がテレパシー等で自らの元で虎者になってほしい旨を伝え、七人が雫の形となって朱雀の元に現れたと考えると不都合がない。また、この異世界パラレルワールドという概念は、ウルトラシリーズスーパー戦隊シリーズ仮面ライダーシリーズのいずれもに存在し、この点も、特撮作品と関連させることで疑問が解消される。

 昨年度までは、虎者達は朱雀の子、という設定があり、人の子であることは明確な事実であった。一方で、息子設定であることにより、朱雀の妻であり虎者の母である人物が七人も立て続けに子供を産めるのかという疑問も残る設定であった。しかしながら、今作に限っては、虎者達は朱雀が集めた、もしくは拾ってきたという設定となっており、こちらに関しても上手に消化されている。

 またここから、影虎達もまた、虎者達と同様に朱雀が集めてきたものである可能性が浮上する。しかしながら、こちらに関しては明確な根拠がないため、仮説の域を出ない。

 

囚われの身

 物語中盤で登場する、ノエルに関する"囚われの身"の展開についてだが、仮面ライダーシリーズには基本的にこのように仲間の一人が"囚われの身"や“人質”となる展開はあまりなく、一方で、スーパー戦隊シリーズには時折登場する。おそらく、それは仮面ライダー達が一般的に、自分達の利害や目的が一致した時に結束する人達であるのに対し、スーパー戦隊はヒーロー達がほとんどの場合最初から仲間として絆で結ばれている、もしくはともに変身して戦う仲間を見つけていく過程で絆を形成するという物語の構造になっていることが多いためと考えられる。

 囚われの身の近年の例として、快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」第48話「仮面の下の素顔」が挙げられる。第48話では、敵の幹部ゴーシュによる攻撃から人々を守るため自らその身を差し出した国際警察兼快盗のノエル(演: 元木聖也)を救おうとパトレンジャーが作戦を考えるも、ゴーシュは全世界への中継によるノエルの公開処刑を宣言。罠だと気付きながらも、パトレンジャーはその場に向かう。偶然役名が同じであるが、このストーリー展開も、「虎者 -NINJAPAN- 2021」で仲間をかばって捕まったノエルを彷彿とさせる。

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 仮面ライダーにおいては「劇場版仮面ライダービルド Be The One」が挙げられるが、虎者の場合と異なり、捕らえられた側は洗脳されており、主人公の敵となった状態でラスボスの配下に置かれている。

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 先ほど、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズの違いについて触れたが、それぞれの起源である最初の作品を見るとその理由が分かるだろう。

 仮面ライダーの起源は、仮面ライダー1号」である。悪の組織によって改造された主人公が、正義と悪の両方の面を持ちながら悪を倒すというストーリーは、以降の昭和ライダーにも、そして石ノ森章太郎先生亡き後に生まれた平成ライダー、令和ライダーにも踏襲されている。

 一方で、敵の形態は時代の変化とともに変わり続けており、正義と悪が二分化されて描かれてきた昭和ライダーから、1990年代後半から2000年代初期にかけて世界で勃発した紛争やテロを受け、何が正義なのか分からなくなった世の中を映す鏡のように、敵味方各々の正義と正義とが衝突し、正義の在り方を正面から問い直した平成ライダー、そして、様々な価値観や多様性に目を向け、人間同士、もしくは人間とAIなどとの共存を最前線で訴える令和ライダーへと変容している。*8

www.kamen-rider-official.com

 スーパー戦隊の起源は、秘密戦隊ゴレンジャーである。 少年主演の「ザ・ハイスクールヒーローズ」にも登場したように、「ちからと技と団結」が基本どの作品においても肝となっている。ここで少し例外的なのが、先ほど紹介した快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーであるが、戦隊シリーズにしては珍しく、最初から快盗と警察、そして敵組織であるギャングラーの三つ巴の戦いになっており、快盗側の人間達が各々の目的達成のために一時的に結束していること、また敵対関係のはずの快盗と警察のその両方に属する人物の存在など、非常に複雑な構造になっている。しかし、大抵の作品において固い絆で結ばれた主人公達が力を合わせて敵組織を倒すというストーリーになっていると言うことができるだろう。

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 このような構造の違いから、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズにおいて、囚われの身になった仲間を助けに行く展開は、比較的スーパー戦隊シリーズ作品において見られる場合が多いように考えられる。

 そして、囚われの身になる展開だけで言えば、虎者はスーパー戦隊的側面があるように考えることができ、逆に言えば、それだけ物語序盤から虎者の七人には既にある程度の絆が形成されているものと考えられる。

 また、「カゲロウとて人の子、改心するやもしれません」というセリフなどから、虎者達のお人好しさや、正義感の強さ、そして物語中盤まではそれゆえの、自分が信じるものに反するものやことに対して認めようとしない頑固さが顕著なメンバーもおり、昨年度でも朱雀に対して「あなたは最悪だ!!」とド直球に辛辣な言葉を言ってのけるほどの少々過度にもとれる熱血さもあったが、人格者というよりは若干まだ「正義」という大きな概念を扱いきれていない未熟さが描かれていたような印象を受けた。

 これに関して、ニチアサ特撮作品の主人公もまた、お人好しや熱血漢の場合が多く、平成ライダーと令和ライダー作品の主人公は、もちろん成長につれて頼もしくなり人格者になるパターンや、逆に闇落ちするパターンも多いが、物語初期の設定としては、「温厚タイプ」≧「熱血タイプ」>>「オレ様タイプ」>「気弱タイプ」というように、温厚な性格の主人公と熱血な性格の主人公が多い。また、熱血タイプの主人公のなかにはかなり度が過ぎるほどの熱血漢も多く、その点では虎者達の性格の設定も、7人それぞれが正統派なヒーロー像であると捉えるかどうかは観た人次第にはなるものの、決して荒唐無稽なものではないと言うことができる。

 また、虎者のなかには「まだ力が足りないのでは…」と、現実思考でやや弱気な性格が読み取れるメンバーもいるなど、スーパー戦隊シリーズ作品の、赤、青、黄…のヒーロー達のように、様々な考え方や性格をもつ七人が集まっていることも、今年度の物語においては重要な設定であった。

 

味方側の二つのグループ・組織

 虎者達は初年度から今年度まで引き続き、「紅孔雀(赤忍者)」と「碧鷺(青忍者)」という二つのグループに分かれている。このように変身して戦う人間達がいくつかの組織に分かれている例は、快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー仮面ライダーゼロワン」等、ニチアサにもたびたび見られる。そして大抵の場合は、組織で分かれている以上、両者には何かしらの価値観の相違があり、特に物語前半では対立関係にあることが多い

 「虎者 -NINJAPAN-」は、初年度では、紅孔雀と碧鷺が対立関係にあることは示唆されるもその原因は描かれておらず、昨年度では、初年度と比較しても、分かりやすく敵対している訳でなければ寧ろ助太刀をする描写もあり、実際のところなぜ朱雀は息子達を二つに分かれさせたのか、近距離攻撃に長けた者と遠距離攻撃に長けた者とで分けて特訓させたのか、それぞれに違う思想の教育をしたのか、はたまた、虎者達の母の存在の描写が一切無いことからも、両者に血縁的な違いがあるのか、それとも単純にユニット曲を用意したいという制作側のメタ的作戦なのか、様々な解釈が可能である。「NARUTO-ナルト-」や「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」の第七班のように、班分けの意味を持っていたのかもしれない。

 一方で、今年度の「虎者 -NINJAPAN- 2021」においては、預言によってカゲロウの行く先の可能性が二つ示され、それぞれの地へ行くために虎者達が二手に分かれる、という、非常に腑に落ちやすい展開になっており、上手に消化されていた印象を抱く。

 

悪夢のような予知夢

 今年度の「虎者 -NINJAPAN-」には、物語中盤で、まるでこれから虎者達の身に起こることを暗示するかのような演出が登場する。カイトが痛む頭を押さえるような仕草をするシーン、そしてカゲロウがうずくまるシーンがあることから、カイトもしくはカゲロウの見た悪夢のような予知夢である可能性が考えられる。

 「仮面ライダージオウでは、主人公・常磐ソウゴ(演: 奥野壮)には予知夢を見る能力があり、夢で見たものごとをヒントにして上手く展開を進めていくシーンがしばしば登場する。正確に言うと、予知能力というよりはそれよりもさらに恐ろしい「自らが思い描いた未来を現実にしてしまう能力」であると他の登場人物によって解釈されるほどだ。

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 「虎者- NINJAPAN- 2021」では、パンフレット上の設定では、朱雀は預言者という設定で始まり、朱雀が天に願ったことにより、虎者達が誕生する。この「預言者」という設定、能力が、果たして本物なのか、という点については、後の朱雀の吐露を考えるといくぶん怪しいところがあるが、虎者達が確かに朱雀の手によって生まれていることや、「預言とは常に変わるもの… カゲロウ、今こそ運命の時だ…」のセリフからも、もしも朱雀の預言者としての力が本物だと考えるならば、娘であるカゲロウにもその力があったとしてもおかしくないと推測できる。また、役作りに関して「カイトは能力と呼べるかは不明だが、先のことが読め、先見の明がある設定である」という内容の記述もあり*9、ノエルの死にも一人、最初から懐疑的な姿勢を示していたことからも、朱雀に預言者としての力があるように、カイトも何らかの能力、もしくは能力ほどではないものの、それに準じる第六感的ともいえる頭の回転の速さを有していると考えられる。そして、もしこれがカイトの予知夢であった場合、予知夢と現実で唯一異なる点は、カゲロウがカイトをかばってハヤブサに斬られた点である。ここから、先が読めるカイトが唯一見抜けなかった盲点でありこの物語の重要な鍵であったのが「カゲロウの本懐」であったと言えよう。カゲロウの本懐についてだが、朱雀への復讐を目的にしていたならば、なぜ影虎達と徒党を組んで悪事を働かねばならなかったかという疑問が生じるが、これに関しては以下の説明で解消されるだろう。まず、カゲロウは朱雀への「裏切った」というセリフがある通り、後継者になることを朱雀から事前に伝えられていたものと考えられる。そして、後継者になるためには、朱雀が望む、悪の世を創るために動く必要があったとされる。カゲロウは根っからの善人ではなく、母の仇を討つという憎しみや怒りといった負の感情でのみ動機付けられているため、悪事を働くことに関しては虎者達と比較すると抵抗は少ないとするのが妥当だろう。そして手下として信頼を置いている影虎を利用しながら、終盤のハヤブサのように、後継者になった後に油断している朱雀の隙を狙って首輪を奪い、力を取り込み、その力を用いて朱雀へ復讐しようとしていたと考えると辻褄が合う。この点は「BLEACH」の市丸ギンを想像すると分かりやすいかもしれない。

 次に、朱雀の「預言とは常に変わるもの… カゲロウ、今こそ運命の時だ…」のセリフがどのような魂胆から出た言葉かを考察する。

 朱雀ははじめからカゲロウを新たな闇の帝王にするために動いており、天に願い虎者を誕生させたのも、カゲロウを真の強き者、真の後継者に育てあげるための“正義のヒーロー”が必要だったためであった。このことから、当初、私は「運命の時」とは「カゲロウが虎者達に倒される時」ではなく、「カゲロウが真の後継者となることができる時」という、朱雀の「ぜひともカゲロウに後継者になってもらいたい」という希望・願望の意味合いが強いと考えた。しかし一方で、朱雀が娘のことを自らの世継ぎとして信用しているとする根拠は少なく、事実、カゲロウがノエルを処分できなかったことを知り見限って切り捨てている。この部分から、朱雀にとっての「運命の時」とは、カゲロウが本当に自分の後継者にふさわしい“強き”人物となれるか、はたまたカゲロウの母のように“弱き”人間としてとどまるのか、その運命が決まる時、という、娘のことまでも、愛情ではなく道具として考えているような朱雀の残忍な性根が現れ出たセリフであると結論付けた。

 しかし、結果的にはこの悪夢のような予知夢が功を奏し、カゲロウはハヤブサの攻撃からカイトをかばい救うことができ、それにより全員揃うことができた虎者達の手によって、カゲロウの本懐である世界の平和が取り戻されたため、もし仮にこれがカイトもしくはカゲロウの予知夢であれば、朱雀が利用するだけ利用して裏切ったカイトや、弱者として容易に切り捨てたカゲロウの力によって朱雀の目的が破られてしまうというこの結末もすべては必然の結果だったと解釈することができる。

 

全ての元凶としての父

 本稿の冒頭でも軽く触れたように、仮面ライダー作品には“あるある”のようなものがいくつか存在する。その一つとして有名なのが「作品に登場する父親もしくは父親的存在は大抵全ての元凶」であるというものである。平成ライダー第二期では、「仮面ライダードライブ」、「仮面ライダーウィザード」、「仮面ライダーエグゼイド」、「仮面ライダービルド」などといった多くの作品において、ろくでもない父親もしくは父親的存在のキャラクターが登場している。

 それは、仮面ライダーシリーズの起源である「仮面ライダー1号」がもともと敵組織に改造されて生まれた存在、改造人間であり、その作品を踏襲し、現在まで続いてきた仮面ライダーシリーズにとって、特に平成ライダー第二期では、正義のヒーローとして戦う主人公達がそもそも悪という存在から誕生したという矛盾こそが物語の最重要核のひとつとなっているためと考えられる。しかし、彼ら父親達のその行動理由は様々であり、ある者は自らの天才的頭脳と知能によって世界を我が物にするために、ある者は大切な人を生き返らせるためにと、必ずしも絶対悪とはいえない場合もある。

 朱雀の場合はどうだろうか。昨年度の「虎者 -NINJAPAN- 2020」では、朱雀は残虐王としてカゲロウの母も含め、子供も女も容赦なく殺し、平和を脅かしてきた根っからの大悪党だったが、息子達の誕生により、真の愛、真の絆を知り、息子達を正義の忍者「虎者」にし、やがて伝説の「誠の虎者」にするために愛情をかけて育てあげた。しかし、物語の終盤、朱雀は愛する息子達の目の前で、かつての残虐さを取り戻したかのようにカゲロウの首を絞め殺そうとした。

 

朱雀「そうさ!私は、性根は人殺しの虐殺王… 朱雀だ。死ね…カゲロウ!」

カイト「やめろおおおおおお!!!」

ノエル「父上!!あなたは最悪だ!!!」

虎者達は父上に問いかけます。「これが誠のあなただというのですか!!!」

朱雀「その心に偽りはない…!お前たちが産まれて、私は知ったのだ。世界には美しいものがあるのだと。本当に大切なものは、家族の絆なのだと…!息子達よ、許せ…!」

 

 カゲロウという存在を生んでしまったのはかつての自分であり、カゲロウがこの世に存在する限り、朱雀は、過ちをおかしたという事実からは逃れられない。同時に、虎者達の誕生をきっかけに愛や絆を知り、カゲロウ達に対して行なってきた残虐非道さへの懺悔かのように善の心で手塩にかけて育て上げたその虎者達に対しては、朱雀は自らの過去を曝け出すことはできずにいた。その苦しみのなかで、朱雀は最終的に、自らの手でカゲロウを葬ることによって、かたを付け、自分自身の悪と決別しようとしたとも読み取ることができ、朱雀なりの贖罪罪滅ぼしのようなものがあったという解釈も可能である。そして息子達が誠の虎者となり、彼らが全ての元凶である自らの存在をも認めたのを見届けたのち、自らの死をもって、息子である虎者達の存在の肯定をしたようにも考えられる。このような解釈が可能なことからも、「虎者 -NINJAPAN- 2020」の朱雀は絶対悪ではないと言える。

 一方、今年度の「虎者 -NINJAPAN- 2021」では、朱雀は虎者達の父ではなく師という設定であり、平和を脅かす闇の帝王として、娘のカゲロウを真の後継者にするためのお膳立てとして虎者達を育てあげた。正義を信じる虎者達、その存在は最初から、闇の帝王・朱雀が、己の目的である後継者選び、そして闇による世界の支配を果たすためだけに造った、ただの駒でしかなかった

 この部分に関してより明確な理解を得るために、私は劇場版 仮面ライダービルド Be The One仮面ライダードライブ」を用いた。

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 まず、「仮面ライダービルド」とは、火星で発見されたパンドラボックスにより日本が東都、北都、西都の三つに分断された世界で、記憶喪失の天才物理学者・桐生戦兎(演: 犬飼貴丈)と無実の罪を着せられた脱獄犯・万丈龍我(演: 赤楚衛二)が、仮面ライダーとなり、人類の平和を脅かすスマッシュと呼ばれる謎の怪人を倒しながら、事件の真実を追い求め、やがてパンドラボックスを巡る戦争、そして全ての黒幕である火星人・エボルトとの地球存亡を賭けた戦いに身を投じる、という物語である。

 「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」は、時系列上ではテレビシリーズ「仮面ライダービルド」第45話と第46話の間の話となっており、記憶喪失であることにより自己同一性が確立しておらず、“正義のヒーロー”として平和のために戦うことでのみ自らの存在意義を見出すことができていた桐生戦兎が、国民からは戦争のための兵器と呼ばれ忌み嫌われる存在となり、さらには、実は自分という存在、そして仮面ライダービルドという存在が、最初から黒幕であるエボルト達が地球を破壊するために生み出した道具にしか過ぎなかったという事実を知り、絶望し、破滅的になるも、希望を見つけ、囚われの身となった万丈龍我の奪還と、人類の平和、そして地球の未来のために再び戦うことを決めた。

 

エボルト「にしても無様にやられたもんだな。まんまと伊能達に嵌められて。お前にはがっかりだよ。所詮は、安っぽい正義を振りかざすだけの、偽物のヒーローだった、って訳だ。お前の親父も草葉の陰で泣いてるよ」

戦兎「お前に何が分かるっ…!!」

 

エボルト「…お前よりも分かってるよ。俺達が桐生戦兎を創ったんだからな」

 

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 一方、「仮面ライダードライブ」とは、頻発する怪事件とともに、自分の時間が静止したかのように身体を動かすことができなくなる謎の「重加速現象」が多発した日本で、過去に自らもその怪現象に巻き込まれ仲間を再起不能にしてしまい心に闇を抱えていた刑事・泊進ノ介(演: 竹内涼真)が、変身ベルトに宿った魂である“ベルトさん”ことクリム・スタインベルト(演: クリス・ヘプラー)と特状課の仲間達とともに、怪事件と重加速現象を引き起こす怪人・ロイミュードと戦うという物語である。

 そして、物語の最終局面で、進ノ介のバディである霧子(演: 内田理央)と、霧子の弟であり仮面ライダーマッハとして戦う剛(演: 稲葉友)の実の父親・蛮野天十郎こそが、ロイミュードを生み出した張本人であることが判明し、世界を我が物にしようともくろむ蛮野を止めるために、進ノ介達はロイミュードの幹部達と共闘し、立ち向かった。

 

ハート(ロイミュードのリーダー)「お前達は嵌められたのさ… 蛮野に。奴はお前達に取り入るフリをして、クリムのベルトを奪ったんだ。研究材料としてな」

ハート「俺はあれほど最低な人間を知らん…!」

剛「お前が言うな…っっ!!悪党のロイミュードのくせに!!!」ハートに掴みかかる剛。

ハート「何度でも言おう。あいつは最低だ。お前が憎む、そのロイミュードそれ以下…!!あいつが俺にした数々の非道な拷問を…!!!」 ハートに掴みかかっていたのを放す剛。

剛「なんだって…!?」

ハート「俺はこの顔のままで蛮野を、いや人間全てを見返してやろうと…!心に誓った…!クリムに去られ、焦った蛮野はロイミュードに人間の悪の心を植え付けた…  皮肉にも… ロイミュードを人間以上の存在に進化させたのだ…」

剛「そんなの… 嘘だっ…」 剛はショックのあまりその場に崩れ落ちる。

剛「… なんだよそれ… 俺も道具の一つとして利用されてたってことかよ… もしその話が本当なら… この世で一番醜いのは俺達の父親じゃねえかよおぉぉおおおぉ!!!!!ううっ…!!」 慟哭する剛。

進ノ介「剛…」

ハート「迂闊な奴とは敢えて言わない。生みの親に失望するその気持ち… 分からんでもない」

 

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 この後、蛮野が全世界の動きを止めるための儀式を行なう“約束の地”を突き止めたとして進ノ介達が駆け付け、蛮野が変身したゴルドドライブと対峙するも、実はそれは蛮野が進ノ介達の意識を本当の目的から遠ざけるために用意した罠であり、真の“約束の地”は別にあった、という展開になるのだが、まさに、二手に分かれた結果カゲロウ達の策略に嵌った虎者とも重なる。

 第46話「彼らはなぜ戦わなければならなかったのか」では、長年ロイミュードに強い憎しみを抱き、敵として滅ぼすべき存在であると考えていた剛が、ロイミュードであり仮面ライダーであるチェイス(演: 上遠野大光)が蛮野の攻撃から自分をかばって命を落としたことをきっかけに、涙ながらにチェイスを“ダチ”としてようやく認め、父であり黒幕である蛮野をチェイスの武器をもって倒した。この点はカイトをかばったカゲロウ、そしてカゲロウの仇討ちを決める虎者達を連想させる。

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 これらの例と比較してみても、「虎者 -NINJAPAN- 2021」において朱雀は絶対悪的存在として描かれていると言うことができる。

 仮面ライダーシリーズでは、おおかた、全ての元凶である父親的存在は仮面ライダーによって最終的に倒される。しかしながら、「虎者- NINJAPAN- 2020」では、虎者達は悔しながらも、朱雀の存在をも認め、許すことを決め、「虎者 -NINJAPAN- 2021」では、カイトがなお、朱雀を師として慕う様子が描かれている。

 これらの描写の違いから、仮面ライダーシリーズでは、父親的存在を倒すことで葛藤を乗り越え、世界の平和の実現とともに自らのアイデンティティを取り戻すのに対し、「虎者 NINJAPAN」では、父親的存在を肯定することで、自らの存在、アイデンティティを取り戻すという違いがあると言える。

 仮面ライダーシリーズにおいて、父を「倒す」という選択がとられるのは、おそらくだが、仮面ライダーが「特撮作品」であり、主人公達の「最終フォーム」をもって黒幕を「やっつけ」、その攻撃の描写をCGの技術やエフェクト等を用いて“リアル”にすることが見せ場となっていることで、そういった展開が一番納得のしやすい描写になるためと考えられる。

 一方、「虎者 -NINJAPAN-」では、人間ドラマに重きが置かれており、自分と対立する価値観に対してどう向き合い振る舞うか、という、すっきりはしないが、しかし極めて“現実的”な点を突いた作品のような印象を受けた。

 これは「ザ・ハイスクールヒーローズ」にも通じるのだが、ニチアサの特撮作品ではヒーロー達の変身シーンと戦闘シーン、そしてそこに使われるCG等の特殊効果やアクションに重きが置かれているのに対し、「ザ・ハイスクールヒーローズ」では変身シーンも攻撃シーンもニチアサ枠と比べると比較的あっさりとしており、「怪人を倒す」というよりも、「怪人に変身する人間を言葉により説得し思いとどまらせる」というような、精神面重視の描かれ方がされていたように解釈ができた。これはあくまで「ジャニーズの作品」であるということを重要視していたためなのかもしれない。

 特撮の世界では、“生身の人間の手に負えない武力を使って悪いことをする”怪人や人に対して、剣やビーム、あるいはキックなどによって「倒す」、そして最終的に「消滅させる」という手段をとることができるが、実生活において、たとえば、保護者と言い争ってしまった際に、同じ「倒す」や「消滅させる」という手法は現実的な解決策でなく、また、倫理・道徳的観点からも適切ではない。しかしながら我々が生きていくなかで、怪人に襲われるよりはおそらく後者のような事例のほうが圧倒的に多いのではないだろうか。

 そのため、この現実の世界において、同様の困難に直面して時、我々がどのように振る舞い、どのように自分の存在意義を見つけ、自分自身の存在を肯定できるか、“LOVE MYSELF”をしていくかが昨今の重要な問題として国連総会でも取り上げられてきているが*10、虎者達は、「許せないけど、それがないと自分達は存在しなかった、だからこそ、平和を守るという本来課された使命を引き続き果たし、朱雀の悪たる部分も肯定はしないが認めるという姿勢をとることで、朱雀から生まれた己の存在意義を見つけ、生きていてもいいのだと、自分自身を肯定できた」と考えられる。

 自分が同じ立場になったとき、どちらの選択をとるか、それは我々一人ひとりが決めていくことではないだろうか。

 親をぶった斬った剛も一つの正義であり、親や師を認めた虎者達もまた一つの正義であり、自分が信じる正しい道、正義を貫く、それが、両作品が伝えたい共通のメッセージであると考えられる。

 ところで、主人公が宿敵に対して「俺は…本当はお前を倒したくない!俺から見れば敵だけど、お前のその姿や必殺技、俺に言わせれば神絵師だ!めちゃくちゃワクワクしちゃうんだ!」と説得する作品がスーパー戦隊シリーズには存在する。こちらについては後の章で詳細に述べる。

 

後継者選びとハヤブサ

 カゲロウに仕える影虎達のなかでも一際存在感を放つのが、IMPACTorsの佐藤新さんが演じるハヤブサである。ハヤブサは敵の組織に身を置くものの、勝手気まぐれな単独行動をとるなどして、カゲロウや他の影虎達からも反感を買っている。

 このような一匹狼系の強敵はどのジャンルにおいてもたびたび登場するが、ここでは快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーザミーゴ・デルマを用いて、ハヤブサという人物を考察する。

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 ザミーゴはルパンレンジャー達の仇である存在だが、敵組織・ギャングラーの幹部でありながらも他のキャラクターとは違い一切群れずに行動し、ボスであるドグラニオ・ヤーブンの後継者の枠を狙い躍起になる連中を傍観しては見下し、目に映る全てを嘲笑うかのような不気味な笑みを浮かべる。

 他の連中とは違うザミーゴを気に入るドグラニオあったが、当のザミーゴは王座には微塵の興味もなく、それどころか王座に就き昔の勢いをなくしたドグラニオのことを軽蔑しているような描写も確認できる。

 ザミーゴは最終話まで味方側につくことはなく、最後までルパンレンジャーの宿敵としてあり続けるのだが、このような一匹狼で快楽主義の悪役が気まぐれで主人公に有利に働くように行動することはあっても、明確に味方側につくことは他の例を見ても少ないため、もし仮に、ニチアサの特撮作品ではあるあるの「敵が味方になる」という展開を「虎者- NINJAPAN-」にもつくるとすれば、ハヤブサよりも、カゲロウや、カゲロウに人一倍忠誠心を抱いていたと考えられるオオワシが、その役を担うことになる可能性が高いと考えられる。

 話は戻るが、ザミーゴの「群れずに単独で勝手気ままな行動をする」、「周りの連中を傍観し見下す」という特徴はいかにもハヤブサを彷彿とさせるように映る。

 しかし、今年度のハヤブサは昨年度とは違い、他の影虎達を誘ってカゲロウを裏切り、自らが朱雀の後継者となるよう画策し、そして新たな闇の帝王となった瞬間、下剋上を成し遂げ、朱雀の力までも奪い自分の物にする

 ここから、昨年度までのハヤブサはほぼザミーゴ的ポジションであるのに対し、今年度のハヤブサはまた違った人物像として物語にスパイスを与えていると言える。

 私は、今回のハヤブサは、特撮作品では「魔進戦隊キラメイジャー」ガルザに近いと考えた。

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 先述の、主人公が「俺は…本当はお前を倒したくない!俺から見れば敵だけど、お前のその姿や必殺技、俺に言わせれば神絵師だ!」と言った相手である。

 ガルザは、ヨドン皇帝率いる敵組織・闇の帝国「ヨドンヘイム」の幹部の一人で、兄である王を裏切ってヨドン側に寝返っている。物語の最終局面で、ガルザはヨドン皇帝に反旗を翻し、更なる力を求め、皇帝からその力と地位を奪うためにヨドン皇帝の身体を乗っ取る。

 

ガルザ「ヨドン様。このガルザ、ついに覚悟が出来ました」

ヨドン皇帝「何だ?ガルザ」

ガルザ「シャドンの代わりに、私をヨドン様の中へお迎えください」

ヨドン皇帝「我が意識の1つとなるというのか?」

ガルザ「はい。そもそも、私は力を求めてヨドンヘイムの一員となりました」

ヨドン皇帝「我の力が欲しいか?良かろう、我の中に来い!」

ガルザ「とうとうこの時が来た! 地球を蹂躙する時がな!」

ヨドン皇帝「うっ!?あ…あぁ…!身体が…動かん!?」

ガルザ「効いたようだな、フハハハハ!!俺は最初から、この瞬間を待っていたのだ!」

ヨドン皇帝「ガルザ……貴様ぁあああ!!」

ガルザ「今からこの肉体は俺の物だ…」

 

 この点から、今年度のハヤブサはザミーゴだけでなくガルザの特徴も入っていると言うことができる。しかし、ガルザはこの後、主人公であるキラメイレッド・熱田充瑠(演: 小宮璃央)の説得によって、ハヤブサとは異なる展開を見せていく。

 

力の取り込みが示唆する「強者」と「弱者」

 今年度の「虎者 -NINJAPAN 2021-」でハヤブサが朱雀の力を取り込みラスボスとなったように、力を取り込んでラスボスとなる例はニチアサには多く見られる。仮面ライダーエグゼイド」檀正宗(演: 貴水博之も、本来ラスボス設定だったゲムデウスさえ取り込み、チート級の力を見せつける最凶最悪のラスボスになる。

 また、スーパー戦隊シリーズにおける、一度は倒すも、またその直後に大きくなって再登場する敵に、主人公達が合体して大きくなって戦う馴染み深い展開も、一種の力の取り込みと巨大化という風に捉えることもできると考えられる。

 ヨドン皇帝の力を奪ったガルザも同様にラスボスになるはずであったが、主人公の説得により最終話直前にしてようやく本来の自分を取り戻す。

 

充瑠「俺は… 本当はお前を倒したくない!」

ガルザ「なんだと…!?」

充瑠「俺から見れば敵だけど、お前のその姿や必殺技、俺に言わせれば神絵師だ!めちゃくちゃワクワクしちゃうんだ!」

ガルザ「戯言を言うなぁーーーっ!!」

充瑠「だから本当は、本当は一緒に絵を描きたい!」

充瑠の姿とかつての記憶がリンクし、ガルザは兄であるオラディン王と仲良く絵を描き、楽しそうに笑い合っていた幼少期を思い出す。

ガルザ「そうだ… 思い出した… 俺は兄上が好きだった… 兄上も、俺を認めてくれていた… 俺は、″ひらめキング″もしていたんだ…!それが、何故兄上を恨み、憎むようになった…!?」

ガルザは元々、王のことを心から尊敬していた。自分が王を恨む理由は、改めて思い返しても自分の中にはまったく見当たらなかった。失意に崩れ落ちるガルザ。

充瑠「今からでも、王様と仲直りすればいいよ!」

ガルザ「仲直り…?馬鹿な!俺は… この手で一度は兄上を殺め、クリスタリアを滅ぼしたんだぞ!?」

充瑠「大丈夫!カナエマストーンが4つ揃えば、どんな願いも叶えられるって、そうしたらクリスタリアもきっと元に戻せるよ!もう一度やり直せるんだ!」

 

 ヨドン皇帝には自分自身も含めると3つの意識があり、それは、元々は弱小な存在にしか過ぎなかった己が倒した相手の屍を食らうことにより巨大化・強大化を重ねていくなかで、無意識に「仲間」を求めて、頭の中に二つの人格を作り上げたことが由来ということが作中で明らかになっている。

 

ヨドン皇帝「我は気づかぬうちに、最も忌み嫌う『仲間』を求めたのだ。それは即ち、我の心が生んだ弱さの象徴。それがある間は真の強き者ではない…」

 

 ヨドン皇帝にとっての「真の強き者」、それは仲間や家族、愛や絆といったものに流されたりほだされたりせず、孤高の存在として圧倒的な力を行使する者であり、今年度の「虎者 -NINJAPAN- 2021」で、闇の帝王・朱雀が自らの後継者として育てたカゲロウに対し放った言葉とリンクする。

 ヨドン皇帝は、己が取るに足りないとして気にもかけなかった、切り捨てた組織の一員が築いた主人公達と、そしてガルザとの絆が決定打となり、最終的に倒されてしまう。実力や権力を持った強者が独裁し、役に立たないと判断した弱者を容赦無く切り捨てるのはスーパー戦隊シリーズの悪の組織において多く見られるが、個々の力に限界はあれど、各々の境遇や考え方、価値観に共感し、助け合う主人公達の“絆”を前にして敵うことはなかったという点に物語を着地させることが、スーパー戦隊シリーズにおける肝となる部分であり、カゲロウが虎者達と絆を築き、平和を取り戻した「虎者 -NINJAPAN-」にも当てはまる。

 「虎者 -NINJAPAN- 2021」内で、朱雀や影虎達が世界を占拠する理由として、世界を闇で覆うことこそが平和に繋がるとの思想に因るものだと判明している。ここから、一見、「善と悪」、「平和と戦争」、「光と闇」といった二元論から脱却し、善も悪も存在しない、一元化された世界を創造するという目的にも読み取れるが、一方で、朱雀や影虎達は、子供や女性、老人などといった「弱者」からの搾取ばかりをしきりに掲げており、実質は己の行動を正当化するための言い訳にしか過ぎないとも言える。この、いわゆる「強者」の行う独裁や享受する利益の独占に対し、「弱者」とされる人物達が協力し、団結し、平和な理想の世を創る、という展開はフィクションの話に限ったではなく、選挙を見ても明らかなように現実世界にも同様に言える。また、我々が生きる社会にだけでなく、芸能界、ジャニーズ事務所という世界においてTravis Japanというアイドルが置かれている立場、世界にも言えることであるであろう。

 キラメイジャーでは、最終的に、それぞれ平和を取り戻したクリスタリア王国、人間界、ヨドンヘイムの三つの世界で、オラディン王の娘である王女マブシーナや国民達、主人公達を含めた人間達、そして生き残ったそれまでの敵達が、みなそれぞれ別の世界で生きていくことを決める。「虎者 -NINJAPAN- 2021」の冒頭において、スクリーンに映し出された光り輝く七つの雫のシーンは、今年行われたTravis Japanの全国ツアー「Travis Japan Live tour 2021 IMAGE NATION~全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?~」の後半で映像に映し出された、七つの光が集まり、一つになった後、またそれぞれに分かれて散らばるシーンを彷彿とさせるが、なぜ最後に再び光が分かれたのかについては様々な解釈が可能である。そのうちの一つとして、各々の個性が融合することが必ずしも良いことであるとは限らないということを示唆しているのではないかと推測できる。というのも、メンバーカラーに分かれているということは、それぞれに、それぞれにしかない特性や個性があり、だからこそ「虎者 -NINJAPAN- 2021」でも、最初のシーンで虎者達の意見が分かれていたのだが、それをひとまとめにして一つの光にしてそれで終わりにしてしまうと、没個性という結果を招き、個人が自分らしさを保ったまま活躍するというテーマではなくなってしまうためである。ここから、困難に直面した際に、力を合わせて一つになり、そして普段は各々の特性や個性を尊重するという在り方が、キラメイジャー、そして「虎者 -NINJAPAN- 2021」で描かれていたのではないかと考える。

 

『BIG BANG BOY』の歌詞の分析・考察

 特撮にもオープニング曲やエンディング曲があるように、「虎者 -NINJAPAN-」にもテーマソングが存在する。初年度と昨年度は『Namidaの結晶』が、そして今年度は一新され、『BIG BANG BOY』がテーマソングとなっている。

 「虎者 NINJAPAN 2021」では第一幕が終わった後、スクリーンに文字が映し出され、『BIG BANG BOY』のパフォーマンスが始まる。このテーマソングの一新には、昨年度までとの区切りや変化のようなものを意図的に見せたいという制作側の狙いがあったようにも解釈できる。

 ここで、今回わざわざテーマソングが新たに作られた理由、および、『BIG BANG BOY』の歌詞が表す背景を考察する。

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《歌詞(意訳)》

BIG BANG wow-ey oh-ey BIG BANG oh oh oh oh

BIG BANG wow-ey oh-ey BIG BANG oh oh oh oh

The skies are glowing See them sparkle and shine Sending you signs

空が煌めく 光り輝く空を見て 僕は君へ合図を送る

Don’t make a sound I gotta tell you a secret, girl Wanna get closer

音を立てないで 秘密を教えてあげる もっと近くへおいで

The stars are moving ‘Cause it’s time to get down

星達が動いているのは ついに時が来たから

We breaking the ground The constellations got me spinning I’ve never seen a view so fine

僕らは地を割り 星達は僕らを回す こんな綺麗な景色は見たことない
Deep in your eyes I can see what’s inside

君の瞳の奥には 内に秘めたものが見える

What you wanna do? I can make it true babe

どうしたいの? 僕なら叶えてあげられるよ

Any fear that you hold Starting now, let it go

君が抱くどんな恐れも さあ手放して

Don’t try to fight it This is your chance to explode

堪えようとしないで これは君が解き放たれるチャンス
Big bang to the top Let me show ya Hear me roar now

どこまでも高く ビッグバンのように 見せてあげるよ 僕の咆哮を聞いて

Get your engine fired up Feel the power all around

エンジンをかけて 周りのパワーを感じて
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように解き放つんだ

Like a tiger in the wild Thunder striking in the night

荒野を駆ける虎のように 夜を切り裂く雷のように
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように爆発するんだ
So dangerous Give you a sensation that you’ve never known

キケンだぜ はじめての感覚を教えてあげる
I’m by your side Now let me open up your heart

そばにいるよ さあ 君の心を開いて

Going higher than the clouds Wanna hear you scream and shout

雲よりも高く 君の心の声が聞きたいんだ

I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように解き放つんだ

BIG BANG wow-ey oh-ey BIG BANG oh oh oh oh

BIG BANG wow-ey oh-ey BIG BANG oh oh oh oh

When all your troubles make you tumble and fall Never let go

どんな困難が君を躓かせても 君を決して手放さないよ

Step into the light Let ‘em know we ain't gonna stop

光の中に飛び込んで 知らせてやろう 僕らは立ち止まらないと
We only get better Unshakable, that’s right

僕らはこの先ただ良くなることしかないんだ 揺るがない 本当だよ

No playing around We’re stealing that crown

遊びはここまでだ あの王冠を奪いに行こう

Get on the rocket Are you ready? We’re blazing through the atmosphere

ロケットに乗って 準備はいい? 大気圏を突き抜けよう

Nowhere to hide I don’t need no disguise I’m the living proof

隠れる場所はない 偽る必要なんて僕にはない 僕がその証拠だ

Anything can happen babe

何が起きてもおかしくはない
Take you through the highs and lows

最高へも 最悪へも どこへでも

Let our story unfold

僕らの物語を始めよう

Here in the darkness I can still hear the encore

この暗闇の中でも 僕にはアンコールが聞こえる

Big bang to the floor Let me show ya Hear me roar now

どこまでも低く ビッグバンのように 見せてあげるよ 僕の咆哮を聞いて

Get your engine fired up Feel the power all around

エンジンをかけて 周りのパワーを感じて
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように解き放つんだ

Like a tiger in the wild Thunder striking in the night

荒野を駆ける虎のように 夜を切り裂く雷のように
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

Hey 

So good, so bad

最高で 最悪

Big bang, that’s how we ride

ビッグバン それが僕らの生き様 

See now you gotta believe it If you wanna go up up up

信じてみてよ 高みに登りたいなら

We gonna break down, shake down Move it up

容赦しないよ 前に進もう

Like a big big big bang Let’s make it loud

ビッグバンのように 暴れだそうぜ
Across the world Gonna make it come alive Just believe in your soul

世界へ向けて 勢いを増して 自分を信じて

BIG BANG BOY YEAH

Get your engine fired up Feel the power all around

エンジンをかけて 周りのパワーを感じて
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように解き放つんだ

Like a tiger in the wild Thunder striking in the night

荒野を駆ける虎のように 夜を切り裂く雷のように
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように爆発するんだ

Get your engine fired up Feel the power all around

エンジンをかけて 周りのパワーを感じて
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように解き放つんだ

Like a tiger in the wild Thunder striking in the night

荒野を駆ける虎のように 夜を切り裂く雷のように
I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように爆発するんだ

So dangerous Give you a sensation that you’ve never known

キケンだぜ はじめての感覚を教えてあげる
I’m by your side Now let me open up your heart

そばにいるよ さあ 君の心を開いて

Going higher than the clouds Wanna hear you scream and shout

雲よりも高く 君の心の声が聞きたいんだ

I’m the BIG BANG BOY Gonna be the BIG BANG BOY

僕はビッグバンボーイだ ビッグバンのように解き放つんだ

BIG BANG wow-ey oh-ey
BIG BANG oh oh oh oh
BIG BANG wow-ey oh-ey
BIG BANG oh oh oh
So good, so bad

最高で 最悪だ

*11

 

 『BIG BANG BOY』の歌詞は現在のアイドルとしてのTravis Japanの、今にも爆発しそうな、そんな強大なエネルギーが内部で膨れ上がっている様子を表しているとともに、正義のヒーロー・虎者の在り方そのものを表しているように解釈できる。

 地球の平和を守るために、空から落ちてきた七つの雫から生まれた七人の戦士・虎者、その設定が、“The skies are glowing See them sparkle and shine Sending you signs”の部分にも示唆されており、虎者達が、悪が蔓延した世界に光をもたらす、宇宙からの救世主なのだという、希望に満ちた煌めきが、空や星々の光り輝く描写からも感じられる。

 また、「君」にあたる人物としてカゲロウを当てはめた場合、カゲロウの本懐を知り、カゲロウの命を救おうとし、そして彼女の最期の言葉を胸に戦った虎者達の生き方を投影することができ、虎者の仲間を当てはめた場合、物語最後の、何があっても七人でいることを胸に誓う虎者達の固い絆を連想する歌詞になっていると言える。

 そして、この曲の歌詞でインパクトを残す「最高」そして「最悪」という言葉は、ここまで本稿で見てきたように、「虎者達の築いた固い絆」と「虎者達の生まれた理由の残酷さ」をそれぞれ表していると推測できる。

 多くの矛盾を抱えながら存在している虎者達。最高で最悪な状況さえも七人なら楽しめる、そのような虎者達の“真の強さ”ゆえの希望に満ちた想いが描かれていると言うことができる。

 以上の結果より、この『BIG BANG BOY』は「虎者 NINJAPAN 2021」という一つのストーリーのエンディング曲的立ち位置の曲でもあり、また昨年度までとは一新した、新たな「虎者 -NINJAPAN-」第二期のオープニング曲的立ち位置の曲でもあると取れる。

 

結論

 自らの境遇と運命にも負けずに、胸に抱く正義を信じて、仲間と築いた絆の力で世界の平和を守る虎者達。その在り方は、本稿の冒頭でも書いたとおり、「敵味方各々の正義と正義との衝突のなかで正義の在り方を正面から問い直し、様々な価値観や多様性に目を向け、人間同士や種族を超えた共存を最前線で訴える」仮面ライダーシリーズ、そして、「力を持った強者が独裁し、役に立たないと判断した弱者を容赦無く切り捨てる組織や社会に対して、個々の力に限界はあれど、各々の境遇や考え方、価値観に共感し、絆を築いて団結することで立ち向かう」スーパー戦隊シリーズに通じると言える。

 では、アイドル・Travis Japanはどうだろうか。ジャニーズJr.として活動する七人組アイドルグループ・Travis Japan、しかしながら、ジャニーズJr.という立場は私たちも既に身をもって実感しているように、非常に揺らぎやすく、Travis Japan」というグループ名さえも、本当はいつ消えてしまっても決しておかしくはないという、まさに物語序盤の虎者達のような不安定な立場にある。私のような一介のファンには分からないことも多くあるが、ジャニーズという組織や、世間というものを前にして、時にそれらが立ち塞がる強敵のようにファンの目に映ることは少なくはない。力を持った大人の一声でどうとでもなってしまうような、風が吹けば飛ばされてしまいそうな、そんな世界に彼らは立っているという見方も可能である。

 「残酷ささえもエンターテイメントになるしドラマになる」*12などという、事象の悲観的側面にさえも美を見出さざるを得ない、そのような深刻な言葉が現に出てくる、光や希望とともに理不尽と残酷さが共存するこの「最高で最悪」な世界の中でも、Travis Japanは虎者達と同じように、「どんな時も七人でいること」を誓い、それぞれの考え方や価値観を尊重し、力を合わせて、自分達の信じる道を今まさに突き進んでいる真っ只中である。

 そんな彼らTravis Japanの、希望に向かって日々前進する、内に秘めた膨大なエネルギーが抑えきれずに今にも爆発してしまいそうな、力みなぎる生き方や、生き様、そのメタファーこそが、グループ名から名付けられた「虎者 -NINJAPAN-」の物語であり、虎者達の、そしてTravis Japan今」を表す歌こそが『BIG BANG BOY』なのではないだろうか。

 そして虎者達がそうであったように、Travis Japanもまた、彼らなりの「正義」を見つけて、アイドルとして仲間とともに困難を乗り越え、成長し、人々に笑顔を届けており、その姿はまさに特撮作品における「正義のヒーロー」そのものを体現していると解釈できる。

 「誠の虎者」とは何たるか、その解釈は人によって種々様々だが、Travis Japanにとって、彼らが「誠」の存在となることができる時、今はまだ名前も、存在も、約束された身ではない不安定な状態ではあるが、やがて彼らが、彼らの夢であるデビューを手にした時に、Travis Japanはこのフィクションではない現実世界において確固たる存在となり、「誠のTravis Japan」となれるのではないだろうか。

 

議論

 毎年「虎者-NINJAPAN-」の季節になるとトランポリンを危惧する人も多いと存じているが、トランポリンのシーンが何を示唆しているのか、ここでは一つの解釈を示したい。

 トランポリンを用いて壁を登ったり殺陣を行なったりするシーンは、同じニチアサのプリキュアの変身シーンのような位置づけであると一つとして考えられる。プリキュアオールスターズ等の映画では歴代のプリキュアが一堂に会するものの、全員ぶんの変身シーンがあるのかというとそうではない。なぜなら、既に変身した状態で歴代のプリキュアキャラクターが現れることが多いからだ。全員が同時に変身したと仮定して、一人ひとりの変身バンクや名乗り口上のカットも込みで編集して繋げた場合、最低でも12分はかかり、全員ぶんの変身シーンを同時再生した場合、全員が変身終了するのにかかるのは2分くらいになる。*13

 プリキュアは変身バンクの後に戦闘シーン、という流れになるが、「虎者 -NINJAPAN-」の場合は既に誠の虎者となった状態でトランポリンを行なうため、完全にプリキュアと同じ扱いをすることはできないものの、変身バンクと攻撃シーンがワンセットになったようなものと考えると理解が可能である。要するに、虎者一人ひとりをクローズアップするシーンを入れ、かつ見栄えを良くし、舞台でもじゅうぶんに迫力のあるものを採用する際にトランポリンが一つの魅せ方の方法として案が出たのではないだろうか。今回、実際に私も初めて生でトランポリンを見て、その迫力に大変感動した。また、トランポリンで跳びながら殺陣をするシーンのカイトの、余裕さや、すばやさ、華麗さはまさに「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」のルパンレッドそのものであり、一瞬にしてリアタイ時のルパンレッドへの恋心が蘇るほどだった。

 トランポリンが安全に行われるならば何も言及することはないが、やはりケガのことを考えると人々が不安に感じるのも無理はなく、一方で、それを見ることで与えられる迫力や感動もある。これに関してはTravis Japan側からも自らの意志でトランポリンをしているとの言葉もあり、トランポリンによって受ける恩恵の存在も明らかにしている。*14これから、このトランポリンがどのような発展をしていくかを、Travis Japanのいち一人のファン、そしてこの作品のいち一ファンとして見届けることが今後の課題である。

 

謝辞

 本稿の執筆にあたり、松竹の舞台なのに東映の話ばかりしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ございません。「虎者 -NINJAPAN-」の特撮との関連性について、つい話が弾んでしまいました。今回は、ニチアサ特撮作品を見たことがない人にも可能な限り分かりやすい文章を届けるために、少し長く書いてしまいましたが、ニチアサ特撮作品にはこれまで数々のジャニーズ舞台のいわゆるトンチキ設定をも乗り切ってきたであろうジャニオタの想像をはるかに上回るトンデモ展開や、そのトンデモ展開を見事に裏付け、土台からしっかり支える重厚な伏線他局であろうとお構いなしのパロディなんでもありのネタ回、そしてそのネタ回や、ハロウィン回、クリスマス回、お正月回にぶち込まれる鬱展開などが数多存在し、非常に面白い作品が多く揃っているため、もし興味を持たれたかたがいらっしゃったら、東映特撮YouTubeの公式チャンネルで一部無料公開されているほか、「〇分で分かる」シリーズもあるため、ぜひご視聴いただきたいと思います。特に秀逸な伏線回収が好きな方や、一話完結ではなく映画のようにノンストップで物語が進んでいく話が好きな方、推しのアイドルのために命を懸けて戦うドルオタヒーローの話が好きな方には、私からは仮面ライダービルド」を推薦します。年末年始のお供にしてみてはいかがでしょうか。

www.youtube.com

【昭和・平成・令和】仮面ライダーシリーズ(第1話&第2話)無料配信中! - YouTube

 最後に、日頃より本ブログを読んでくださっている皆さま、そして、日々素敵な姿を届けてくださっているTravis Japanの皆さま、IMAPACTorsの皆さま、松田リマさま、長谷川純さま、その他演者の皆さまに改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

付録

「虎者 -NINJAPAN- 2021」第一幕 概略 英訳(TORA JA -NINJAPAN- 2021 STORY OUTLINE ENG TRANSLATION) 

※セリフは必ずしも正確とは限りません。The lines are not always accurate. 

※文法上のミス等がある可能性があります。Please let me know if there are any grammatical errors.

drive.google.com

*1:現在放送中の「機界戦隊ゼンカイジャー」の主人公の名前は「カイト」であり、「仮面ライダーバイス」には「カゲロウ」という名の悪魔が登場する。

*2:株式会社平凡社百科事典マイペディアより引用

*3:主に大森敬仁監督の趣味作風である。

*4:主に諸田敏監督の趣味作風である。

*5:ニンニンジャーのキニンジャー役は中村嘉惟人(ナカムラカイト)さんが演じている。

*6:ゴセイレッドを演じているのは千葉雄大さんである。

*7:月刊TVガイド 2022年1月号より引用。

*8:NHK BSプレミアム「歴史秘話 仮面ライダーヒストリア」2021年10月2日放送より引用。

*9:月刊TVガイド 2022年1月号より引用。

*10:世界中の若者たちへ BTSが国連総会でスピーチ 「自分自身のことを話して」

https://www.unicef.or.jp/news/2018/0160.html

*11:歌詞は著者が日本語訳したものである。

*12:Travis Japan【赤裸々告白!】ジャニーズJr.ライブ&ドキュメントDVD「素顔4」発売記念インタビュー - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=c51_tZhmh24

*13:「プリキュアシリーズの初めての変身シーンがどれ位長いか検証してみた」 https://www.mittya.xyz/article/purikyuanohennsinnsi-nnnonagasa.html

*14:七五三掛龍也、川島如恵留「明日は誕生日当日なので、、、」 | ISLAND TV

https://j-island.net/movie/play/id/11566